「お父さん、違うよ」ペンギン大好きな小1、父が描いた漫画のミスを指摘 息子が見破ったコウテイペンギンとオウサマペンギンの違い
記者コラム
「ペンギンの種類が違うと息子から指摘されました」。2月下旬の夜、信濃毎日新聞整理部デザイン室長の春原信幸さん(46)から慌てた様子で記者に電話があった。春原さんが描く漫画「ちゅ~もく記事」に登場するコウテイペンギンの模様が、オウサマペンギンの模様になっているという。記者は漫画の内容をチェックして見出しを付ける役だが、電話が鳴るまで模様の違いには気付かなかった。春原さんはすぐに正しい模様に直した原稿を送ってくれた。記者も春原さんも、ペンギンが大好きな小学1年生の圭くん(7)の鋭い観察眼と知識に助けられた。 【漫画】コウテイペンギンがオウサマペンギンになっていた漫画の修正前と修正後を比較。皆さんは違いが分かりますか?
信濃毎日新聞デジタルに掲載している漫画「ちゅ~もく記事」は、お茶目なキャラクター「ちゅ~も」がお勧めの記事を紹介する内容。春原さんが2023年7月から描き始め、月に数本を掲載。圭くんが間違いを指摘したのは、2月29日に配信した「コウテイペンギン、校庭リンクを求め信州に来てみたら…」の回。コウテイと校庭の駄じゃれが肝の話なので、登場するペンギンの模様がオウサマでは漫画が成立しなかった。
ペンギン大好き、ペンギン博士
圭くんは3歳ごろ、おじいちゃんが買ってくれたマゼランペンギンの縫いぐるみをきっかけにペンギンが好きになった。「かわいい」と縫いぐるみを持ち歩き、落書き帳に絵を描いて、図書館でペンギン図鑑を借りて熟読するほど。落書き帳には、大きさや模様の特徴を捉えた11種類のペンギンの絵がずらり。圭くんは家族から「ペンギン博士」と呼ばれている。 そんなペンギン博士が眠りにつく前、春原さんは「ペンギンを漫画に描いたよ」とスマートフォンで原稿を見せた。すると、圭くんはすぐに「違うよ」と指摘。圭くんが見破った間違いは2つ。その1つは、コウテイペンギンの模様は首に隙間があるのに、漫画にはない。もう1つは、コウテイペンギンは頭部と体(背など)の色がほぼ同じなのに、漫画は違う色。これらはオウサマペンギンの特徴だと、圭くんは「見てすぐに分かった」。