与論高生「島の水」テーマに発表 地球惑星科学連合大会
公益財団法人日本地球惑星科学連合(JpGU)の2024年大会(5月26~31日、千葉県幕張メッセ)で26日、鹿児島県立与論高校(大倉秀心校長、生徒126人)の3年生3人が研究発表を行った。「与論の水を科学する」のテーマで1年間の研究内容をポスターにまとめ、来場した多くの研究者と活発に議論。生徒らは「いただいた貴重なアドバイスを反映させ、後輩たちへ引き継ぎたい」と話している。 JpGUは、「宇宙惑星科学」「大気水圏科学」「地球人間圏科学」「固体地球科学」「地球生命科学」および関連の学際分野をカバーする研究者、技術者、教育関係者や学生、一般市民らでつくる学術団体。毎年春に千葉県で同連合大会を開催するほか、学術誌や季刊誌の発行、幅広い関連学術活動などを通して研究者らの情報交換の促進や広報普及に取り組んでいる。 与論高校は2022年度から東京大学大気海洋研究所や町海洋教育促進協議会と合同で夏のサイエンスキャンプを開催しており、23年は同校から選抜された当時の2年生6人が参加。2チームに分かれて研究計画を立て、専門家のアドバイスを受けながら1年かけて採水調査や化学分析などに取り組んできた。
今年度の大会にはチームの代表として3年生の有村美南(みな)さん、川畑日藍子(からんこ)さん、南咲那(さきな)さんが臨んだ。発表内容は「与論島における赤土、肥料および日焼け止めの流出状況と沈砂池・浸透池の効果について」「地質的要素に基づいた奄美群島の水の比較」。発表時間の間ほぼ途切れることなく来場があり、生徒たちは研究者や学生らの質問にも堂々とした態度で答えていた。 与論、沖永良部、喜界、奄美大島の4島の水道水を地質の面から比較した有村さん(17)は「大学教授や院生から助言や別の視点からのアイデアをもらい、とても楽しかった。自分の将来を考えるきっかけにもなった」と話していた。 生徒たちの研究内容をまとめたポスターは後日、与論高校のホームページに掲載する予定という。