20万部超えの人気シリーズ著者がこっそり教えます! 専門家に教わった「発達障害・グレーゾーンの人」の行動がサクッと変わる「言い方」のコツ
発達障害・グレーゾーンの人にわかりやすい言葉は誰にとってもわかりやすい
私たちはやめてほしいことがあるとき、相手に対して「××しないで」と言って禁止しようとします。あるいは友人のように、大雑把な指示で改善を促そうとします。ところが発達障害の人、あるいは診断はなくてもその特性が強い人には、この指示は通じないことが多いのです。 禁止や大雑把な指示には、カバーしきれない「抜け道」がたくさんあります。「××しないで」だと、「××がダメなら△△しよう」という不正解が導き出されやすいのです。むしろこちらから、 「◎◎して」 と正解を示したほうが困りごとは解決する、と教えていただきました。この滝口先生からのヒントをもとにして、私は友人にアドバイスしたのです。 その後A君には、友人が具体的な指示をこまかく出すことで、仕事がうまく回るようになったそうです。 A君が発達障害かどうかはわかりません。最近よく言われるグレーゾーン(診断には至らないが、発達障害の特性が強く出ているタイプ)かもしれないし、もしかしたら単に個性が強烈な人だったのかもしれません。 でも、発達障害の人、あるいはグレーゾーンの人に「理解してもらえる」伝え方が、そうでない人にもわかりやすい、というのはよくあること。A君のようなケースで、〈この人はそうかもしれない〉といったん自分のなかだけで仮定して、発達障害・グレーゾーンの人にわかりやすい伝え方・接し方を試してみるのは、決して間違ったことではないはずです。 大事なのは目の前の人に合わせた接し方であり、「発達障害」「自閉スペクトラム症」「ADHD」などの言葉にとらわれすぎてはいけないと思います。 だから新刊『発達障害・グレーゾーンの あの人の行動が変わる言い方・接し方事典』では、ジャンルをはっきりさせるため、また編集者からの要望もあって、タイトルには「発達障害」という言葉を使いましたが、本文中では「あの人」という言葉を使いました。 「(発達障害またはグレーゾーンかもしれない、気になる)あの人」という意味です。私が新刊のなかで紹介したのは、いわゆる発達障害の療育の知恵ではありません。、「あの人」と共生するために、だれにでもできるコツです。そのコツの1つを【後編】「静かにして!」と言っても効果なし……「発達障害・グレーゾーンの人」がスッと静かになる「伝え方」のコツでご紹介します。ご紹介します。
野波 ツナ(漫画家)