阪神株主総会で「来季監督を岡田氏にしろ!」と仰天提言
阪急阪神ホールディングス株式会社の定時株主総会が16日、大阪北区の梅田芸術劇場で行われ、その中で、交流戦で4連敗して借金「3」を抱える阪神タイガースに関する辛辣な質問、意見が飛んだ。怒れる株主からの厳しい質問は、株主総会での風物詩のようなものだが、今年の最初の質問は、ズバっと来季の監督交代を提言するものだった。 高槻市から来たという中年男性の株主は、「阪神タイガースのファンなんですが、ハッキリ言って今年のタイガースは、駄目です。お客さんも入っていません。来シーズン、もう岡田さんを監督にしてはどうでしょうか」という提言、意見を述べた。場内から笑いと共にパラパラと拍手も起きた。 岡田さんとは、岡田影布元監督を示す。2005年の優勝監督で、退団後は、オリックス監督をも経験。阪神監督時代には、7、8、9回を抑える「JFK」を確立するなど、その決断力と洞察力への評価は高く、昨季も、和田監督の解任が検討されたとき、次期監督の有力候補として名前の挙がった人物である。ファンの間に「勝てる監督」としての待望論が、今だに強く残っている現われだろう。 この質問に対しては、阪神の田中・取締役が答えたが、その際、質問者の名前を「岡田」と間違えて失笑を誘った。 「前半戦、確かになかなかしんどい試合が多くて、心配をおかけしています。ただ和田監督は、昨年は、クライマックスシリーズを制覇した実績のある監督です。現在、30勝33敗で、首位の背中も近くて、2.5差です。今日も試合がありますし、まだトータルで80試合も残っています。現時点で監督(交代)云々は、考えていません」 球団として現時点でハッキリと来季の監督交代の意志がないことを明らかにした。すると、この回答に関しても場内から大きな拍手が起きた。和田監督にとっても、心強いサポート発言だろうが、最下位でもないのに、株主総会で、具体的な次期監督の名前まで挙げられて監督交代を求める質問が出るのは異例の事態だ。交流戦で、巨人が4連敗。横浜DeNAが10連敗もしているのに、もたついている阪神の現状が、株主をいらだたせているのかもしれないが、指揮官の采配能力に対しての疑念が根強いという実態も、球団サイドは真摯に受け止めなければならないだろう。