さらに株主からの質問は続き、「タイガースは、もう少し頑張って下さい。問題は外野（ファンなどの声）がうるさいこと。そういう声を気にせず、若い人を育ててください。金の力に頼るよりも若い人を」というエールがあった。マートンが不調。西岡は故障で戦列を離れ、若手には大きなチャンスが転がっているが、チームに劇的な変化を与える若手が出てきていない。ルーキーの江越の活躍で、2試合、勝利につながったが、レギュラーを獲得するまでには至っていない。2年目の梅野も伸び悩んでいる。ピッチャーに目を向けると、ルーキーの横山、2年目の岩貞も力があるが、まだ満足のいく結果を出せてはいない。 　もう一人の株主は、ドラフト補強などのチーム編成についての質問を投げかけた。 「2年前のドラフトでは、西武にいった森を指名してほしかった。幼い頃から阪神が好きで地元の甲子園で活躍するなど阪神にふさわしい選手を指名してほしい。阪神の補強に関しては、おそらく中村GMが、判断されていると思うが、あの人の今の立ち位置はどうか？」と、2013年のドラフトで西武の森友哉を指名せず、大瀬良を指名してクジを外し、岩貞に落ち着いた件についてぶりかえした。そして中村勝広GMの立場について聞くなど、阪神が勝てない理由が、フロントにあると踏んでのつっこんだ質問だった。 　 　これに対して田中取締役は、「ドラフトのやりかた、考えをしっかりしてほしいという、ご意見、ご指摘いただきました、指摘を真摯に受け取り、補強ポイント、中長期編成をしっかりと検討して、ドラフトにむかいたい。地元選手を重視するという意見もくみとり、球団に伝えていきたい。中村GMは、現在は、フロントと現場をつなぐ大切な役割、補強の面でもオ・スンファン、ゴメスの獲得で活躍していただいている」と答えた。交流戦で好調の日ハムを見れば明らかだが、ドラフト戦略は、チーム編成の大きな柱。株主はよく知っている。これらの質問は、阪神が抱えている問題点、そのものだったようである。