トランプ氏、教育長官にマクマホン氏起用へ 「教育省廃止」行方に注目
トランプ次期米大統領は19日、政権1期目で中小企業庁長官を務めたリンダ・マクマホン氏を教育長官に起用する意向を表明した。トランプ氏は所得や居住地域に関係なく、公立・私立の学校やホームスクールなど「さまざまな選択肢」を保障することを重視。一方で、連邦政府の権限を縮小させ、究極的には「教育省の廃止」を掲げており、マクマホン氏のかじ取りが注目される。 マクマホン氏はプロレス団体「WWE」の元最高経営責任者(CEO)で、トランプ氏の政権移行チームの共同議長も務めている。トランプ氏は19日の声明で「リンダは子供たちに優良な教育を受ける機会を与えるために働いてきた。保護者が家族のために最善の判断ができるように闘うだろう」と述べた。 米メディアによると、教育省は1979年に民主党のカーター大統領(当時)が設立した。教育内容は各州に委ねられているが、教育省は貧困世帯が多い地域への支援などを通じて「教育格差の是正」を目指している。教育省の廃止には連邦議会の同意が必要で、実現は困難とみられる。 一方、実業家のイーロン・マスク氏らが率いる政府外の助言機関「政府効率化省」による行財政改革の対象となり、教育省の権限や事業が縮小される可能性がある。【ワシントン秋山信一】