1年目から“モンキーマジック”披露 猿川真寿が掴んだ手応え「何事も経験しないとわからない」2年目に見せた自信/麻雀・Mリーグ
プロ麻雀リーグ「Mリーグ」2023-24シーズンで序盤こそ苦しんだものの、徐々にMの舞台にアジャストしていきBEAST X(ビーストテン=旧BEAST Japanext)をけん引したのが猿川真寿(連盟)だ。「モンキーマジック」と呼ばれる巧みな打ち回しで9回のトップを取り、試合後のインタビューでは脱力系のトークでファンを魅了した。今期は入れ替えレギュレーションもあるが猿川はそこに対する意識は「あまりない」という。1年間共に戦った仲間を信頼し、自身は鮮やかな“マジックショー”で魅せ続ける。 【映像】会場を爆笑させた猿川のあいさつ ―2023-24シーズンを経験してみてどうだったか。 猿川真寿(以下、猿川) そうですね。見ているのと、やるのとは違う。Mリーグに対する対応が、少し遅かったのが敗因になったかなと思っています。 リーグ全体のアガリ率や放銃率が僕の想像より下だった。12~13%くらいかな。リーチや仕掛けが空振りになることが多かった。完全な本手みたいな人しか押し返さないゲームで、ちょっと分が悪い戦いをし過ぎたと思います。 ―初めてのチーム戦を振り返るとどうだったか。チームとして過ごした期間は。 猿川 去年が初なので全体的に信頼関係が生まれたと思います。ただ、後半戦になってくると、チーム状況を思った以上に意識してしまった。それが良かったか悪かったかはわからないです。 ―チーム状況が悪い時はどのような心理状況だったか。 猿川 個人で▲290ぐらいまで行って「勝てる気がしない」というところまで、メンタルには来ました。その分のマイナスがチームの負債みたいな形だったので、そういう意味では他のチームメイトに前半戦に負荷を与えてしまったなと。 ―その中で一人“ブルンブルン”と鈴木大介選手が腕を振りまくっていた。 猿川 9月から10月くらいまでですかね。それから後半戦になり、腕の振りが小さくなってしまったというのはチーム状況もありますが、自分はそのまま腕を振っていて欲しかったというのはあります。 ―最終的には最下位から7位に。尻上がりで終了した。 猿川 一応数字は残りますし、実際ルール的に考えたらそこまで最下位との差は感じませんでした。個人としても、チーム全員がマイナスで終わるよりは、プラス(28.4)で終わったというのも良かったかなと思っています。 ―麻雀プロというキャリアが少ない鈴木大介選手や中田花奈選手を引っ張った。 猿川 ファン層が違いますしメンタル面は大丈夫かなという心配はありましたが、2人とも僕の想像よりもだいぶ強かったですね。(鈴木大介選手について)将棋のファンというのは、プロ棋士の方をヤジるというのもあまりない文化なので、そのあたりが心配だったのですが。 ―オフシーズン中のチームメイトの交流は。 猿川 レギュラーシーズンが終わってからまたすぐに集まって、シーズン中に気になっていたことを話し合うことがありました。個人的には7月中旬には戦い方を決めて、あとはやりながらどう変えていくかというところです。 ―今期は入れ替えレギュレーションもあるが意識はどうか。 猿川 個人的にはあまりないですね。(シーズン終盤が)近づいてみないとわからない。仮に自分が入れ替えの対象になったとしても仕方ないかなと思います。企業側が決めることですから。そういう意味では今期の成績は大きいかなとは思います。 ―チームとして応援される感覚というのは、個人戦と異なるか。 猿川 新鮮味がありますね。大きい意味では連盟のファンなど、団体のことは考えますが、チームの誰かのファンだから一緒に応援してくれるというのはありがたい。中田さんのファンの方がうちのお店に顔を出してくださったりしました。 ―個人で持っている数字の目標は。 猿川 とりあえず+100ポイントは自分の中で目標にしています。その数字でレギュラーシーズンを抜けられるかどうかは他のチーム状況もあるので分かりませんが、自分の中ではまずはその数字です。 ―キャプテンとして、シーズン中にやれたらいいなと考えていることは。 猿川 今のところ特には決めてはいないです。大介さんや菅原(千瑛)さんは自分の麻雀がある程度出来上がっている。今回に関しては大介さんもちょっと変えていくかなというところはありますが、そこは自分でやってもらいたいです。周りに言われて本人に後悔が残ってもあれかなというものもあるので。中田さんに関しては昨シーズンの後半戦みたいな感じで、絶対に(自分が)間違っていない部分でのアドバイスは続けていこうかなと思っています。 ただ中田さんに対しても、そんなに自分から教えるということはないです。本人もかなり自分で勉強しているので“ちょっと微妙じゃない?”という方向に進んでいる時に、直してあげるくらいです。 ―キャプテンとして1年間やってきて難しかったことは。 猿川 自分の初勝利はうれしかったですね。それまでの過程があったので、安心もありましたけど。負けてしまいましたが、6位争いまで行けたというのも良かったです。あれが自信というまではいきませんが、あの経験は今期の戦い方にも関わってくるのかなと思います。何事も経験しないとわからない。経験を増やしていきたいと思っています。 ―麻雀は尻上がりに調子を上げ、勝ち星を積み重ねたが、ビーストポーズは最後まで慣れなかった印象。 猿川 慣れないですよ。「今年もそのままです」と伝えていますし、チームの人も「そのままでいい」と言っているので(笑)。ただ、定義としては両手を上げていれば良いので、あのままで大丈夫です。最近浸透してきて、ファンの方もこっち(猿川)寄りのビーストポーズが増えてきました。 ◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。 (ABEMA/麻雀チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部