米の輸出拡大へ 最新式の玄米殺菌施設が稼働 北海道JAひがしかわ
長時間輸送でも鮮度保つ
国内有数の米輸出産地である北海道JAひがしかわは24日、一度に多くの玄米を殺菌できるラインを備えた精米工場を稼働させた。玄米に高温の蒸気を当て、殺菌と同時に米の酸化を抑制。精米後の長時間輸送でも鮮度や食味を維持する。栄養価を残しながら加工する設備も導入し、輸出拡大に弾みをつける。 JAでは、香港や欧米を中心に輸出量を伸ばしている。一方、長距離輸送での酸化や食味・品質の変化が課題となっている。 導入した「高度衛生良質米製法ライン」は、穀類加工機メーカーのサタケが開発した。1時間に3トン処理でき、ここまで高い処理能力を持つ設備導入は世界初という。 玄米に250度の蒸気を当てて酸化に影響する加水分解酵素の活性を抑え、精米の鮮度を維持する。低い圧力を加えて表面のぬか層だけ削るミルコンボも導入。食物繊維やビタミンB1、マグネシウムなどが豊富な「健康ひがしかわ米」としてブランド化を進める。 JA営農販売部は「米を求める海外ニーズは高まっている」と強調。2026年に15カ国・地域、年間輸出量1200トンを目指す。 JAの牧清隆組合長は、「グローバル基準の下、食品安全衛生体制を構築する。唯一無二の精米を届けたい」と、国内外でのブランド確立へ意気込む。