五木ひろし「地味にすごい」故郷・福井県。大河で話題の紫式部もいた!メガネにハープ…記念すべき年に故郷を歌う
◆ひろしま雨情 カップリングは『ひろしま雨情』という楽曲で、これも僕が作曲しています。これまで、いろいろご当地ソングを歌ってきましたが、広島は初めて。 この曲、実はとても不思議なご縁でできあがったんです。 昨年、広島でコンサートを行ったあと、会場の外でファンの方々が「出待ち」をしてくださっていた。いつものように車の中からみなさんに手を振ってご挨拶しながら進んでいったんです。 すると、その中にA4ぐらいの大きさの封筒を持って、こちらに向かって振っている男性が目につきました。いや、目についたのは、その封筒。とても達筆な筆文字で「五木ひろし様」と真ん中に書いてあったんです。 それが気になって、車を止めてもらい、窓を開けてその男性から封筒を受け取りました。そしたらその中に「ひろしま雨情」の歌詞が入っていたんです。 これまでも、ファンの方々から歌詞をいただいたことはありました。事務所に送られてきたり、直接手渡されたことも何度もあります。とてもありがたいのですが、残念ながらそのまま使わせていただいたものはほとんどなかった。でも、今回の『ひろしま雨情』は地元ならではの視点で書かれ、ストーリー性のあるとてもいい歌詞だったんです。
◆今だからこそ生まれた楽曲 世界にその地名を知られている「ヒロシマ」ですが、今回の歌詞に出てくる地名は、どこも知りませんでした。僕は原爆ドーム、広島カープ、マツダぐらいしか浮かばず…。 でも歌詞を読むと、男女の情景がイメージできて、曲もすぐに浮かんできた。すぐご本人に「使わせていただきたい」と連絡し、僕にとっては初の広島県を歌った「ムード歌謡」に仕上がりました。 歌手生活60年の記念の年に出す「こしの都」と「ひろしま雨情」。どちらも、今だからこそ生まれるべくして生まれた楽曲のような気がしています。 特に「こしの都」は故郷福井の記念すべき歴史的なタイミングに合わせて出すことができて、とてもうれしい。ぜひたくさんの方に聴いていただき、歌っていただきたいと思っています。 (構成=吉田明美)
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