藤原紀香・篠田麻里子の事務所倒産で思い出した…“コワモテ”芸能プロのこと(城下尊之/芸能ジャーナリスト)
【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】 藤原紀香(53)や篠田麻里子(38)らが所属する芸能プロ「サムデイ」が破産手続きを開始し、事実上の倒産となった。 【写真】篠田麻里子YouTube再開の殊勝な言葉を深読み…「ご心配をおかけした」「自分の言葉で発信したい」 藤原が「記事を読んで大変驚き、その当日に事務所に事実確認した」とSNSで言っているように所属タレントやマネジャーたちもこのことを知らされておらず、我々芸能マスコミと同じくらい驚いたようだ。 サムデイは、芸能界でも有力な事務所のひとつとみられていただけに「どうして……」という気がする。破産の原因が債務超過に陥ったためというので、“放漫経営”だったというしかない。 藤原は、舞台製作のために関係先企業に出資してもらった数千万円のお金を無断で債務返済に使われた可能性があり、マネジャーと共に出資先におわび行脚に回っているという。その藤原だって昨年だけで数千万円のギャラ未払いがあったとされる。 似たようなケースで思い出されるのが、今から25年ほど前に破産した「沢井プロダクション」だ。山城新伍さんや地井武男さんといった大物俳優が所属し、相当コワモテ(強面)の、発言力の高い芸能事務所だった。 その昔、沢井プロの早乙女愛という新人女優がショーケンこと、故・萩原健一さんと初共演した。当時のショーケンはグループサウンズから俳優業に転身して人気だったが、その一方で共演する女優には大物から新人まで手当たり次第に手を出すことで知られていた。その出演者顔合わせの席でショーケンが早乙女に対し、「キミ、サワイプロだって聞いたけど、本当?」と尋ねたという。早乙女が「はい、沢井さんにお世話になっています」と返答すると、「あ……、そう。がんばってくださいね」と尻尾を巻いて引き揚げたらしい。 そんな沢井プロも投機の失敗で資金が回らなくなったとされ、俳優や社員に給与を支払えなくなって集団で事務所を辞めた。この時は、山城さんや地井さんらのスポンサーだった実業家が出資してくれ、新事務所「サイプロ」を立ち上げ、業界的には問題なく仕事を続けることができた。当時の芸能プロは系列などの壁があってなかなか新参者は厳しかった。 社長の沢井(唯一)氏はその後、どこに行ったかわからない……。 藤原も篠田も今回の破産には関係していないし、むしろ被害者。今後、声をかけてくれるプロダクションがあるだろうし、新事務所をつくるためにスポンサーになってくれるところも出てくるかもしれない。少し時間はかかっても、元通りに芸能活動はできるに違いない。 (城下尊之/芸能ジャーナリスト)