スイング軸は腹筋を意識 力を入れるのはアドレスから「呼吸しにくいとやりすぎ」 フジサンケイクラシック優勝、平田憲聖
【勝者のワザ】 台風10号の影響で36ホールの短縮日程となった今年のフジサンケイクラシック。勝ったのは、第2ラウンドで7アンダーパーの63をマークして全員のホールアウトを待っていた平田憲聖だった。 平田は、この優勝でシーズン2勝目、通算4勝目を挙げた。揺るぎのないスイングで正確なショットを打ち出し、ショートゲームはパッティングも含めて巧みであり、オールラウンダーとして高く評価されている。 アドレスでの前傾姿勢は、バックスイング、フォロースイングと動きの中で変わらずにキープされている。これが、ツアー屈指のショットメーカーとしての存在を際立てさせるポイントだ。 「僕は、スイングの軸は腹筋であると思っています」と、平田は言う。アドレスから、腹筋に力を入れることを意識しているそうだ。 腹筋が緩むと、バックスイングで上半身が起き上がりやすくなる。フォロースルーでも腹筋が緩めば、左サイドが早く起き上がって正確なインパクトはおぼつかない。 平田のもう一つのスイングの特徴が、右カカトを上げずにインパクトからボールを打ち抜く、いわゆる〝ベタ足〟だ。ベタ足だけを意識するとアマチュアのみなさんは、右サイドに体重が残って、フォロースルーで左腰が引けてしまい、フィニッシュをとれなくなってしまうことがある。 しかし、平田のベタ足は腹筋に力をいれておくことで発生している結果であり、決して無理に右カカトを上げないようにしているわけではないので、フィニッシュに影響することはないそうだ。 腹筋に力を入れておくことで、前傾姿勢はキープされる。右カカトは着地したまま腕、クラブが振られ、身体がクラブの勢いで引き起こされて、左サイドに乗ってフィニッシュとなっていく。 最後に、どの程度腹筋に力を入れておけばいいのか。答えはこうだ。「おなかを引っ込めて呼吸しにくいほど力を入れるのは、やりすぎです」 すぐに試してみよう。 ■平田憲聖(ひらた・けんせい) 2000年11月26日生まれ、23歳。大阪・吹田市出身。7歳からゴルフを始め、大阪学院大高2年時の17年に「関西アマ」、大阪学院大3年時の21年に「日本学生」優勝。同年12月にプロ転向し、22年に賞金ランク58位に入って初シードを獲得。23年「ミズノオープン」「日本プロ」、24年「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」「フジサンケイクラシック」を制してツアー4勝。170センチ、70キロ。