【注目ポイント解説】米大統領選 両陣営の「災害対応」勝敗に影響は?
日テレNEWS NNN
アメリカ大統領選まで1週間を切りました。結果は日本の安全保障などにも大きな影響を与えますが、民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ氏との戦いは大接戦となっています。アメリカ国内で、大統領選の勝敗に影響を与えるか注目されているのが、ハリケーンの災害対応です。ニューヨーク支局の末岡支局長が解説します。 【動くグラフ】米大統領選挙2024 ハリスVSトランプ 支持率の推移 先月末、アメリカに上陸したハリケーン「へリーン」は、200人以上が犠牲となる甚大な被害となりました。特に被害が大きかったノースカロライナ州とジョージア州の2州は、大統領選挙の勝敗を分ける“激戦州”です。 2012年のハリケーン「サンディ」の対応をめぐって、現職候補だった民主党のオバマ大統領は数日間にわたって遊説日程をキャンセルし、迅速な対応が再選を後押ししたとされています。 このため、ハリケーンへの対応が、大統領選挙の結果にどう影響を与えるのかが大きな関心を集めています。 ――両陣営はどのような選挙活動を行っているんでしょうか? 両陣営は被災地を抱える2州で積極的に演説を行ってきました。
バイデン・ハリス政権は、およそ20億ドル日本円で3000億円の支援を承認し迅速な復興活動をアピールしています。 先日被災地を取材したところ、がれきなどは残っていましたが、道路の復旧作業は急ピッチで進められていましたし、物資も潤沢に届けられている印象でした。
一方、トランプ氏は、災害と政治を結びつけて、復興のための政府機関の予算が、不法移民のために使われていると虚偽の主張を繰り返していて、ハリス副大統領は猛反発しています。 ――災害を選挙アピールに利用しているということですか? そうです。政府の対応を徹底的に非難することで、激戦州での票の上積みを期待する狙いがあると言えます。 ――支持率に影響は出ているんですか?
最新の世論調査では、両者の支持率の差は、ノースカロライナ州ではわずか1.0ポイント、ジョージア州でも2.4ポイントです。 トランプ氏が政府の対応をあげつらい、偽情報まで流しているのにもかかわらずハリケーン前後で支持率は僅差でトランプ氏が優位のままで大きく変化していません。 両候補とも絶対に落としたくない大票田の州で大接戦が続いています。 ――被災地では選挙は滞りなく行われるのでしょうか?
被害が大きかった都市アッシュビルがある地域では、期日前投票所14か所のうち、4か所がスタッフが確保できないなどの理由で閉鎖されています。 地元当局は、被災者がスムーズに投票できるような措置をとっています。 別の投票所で投票できるようにし、写真付きの身分証がなくても写真撮影を行い投票をできるようにするほか、避難所から投票所への無料ライドシェアを提供するなど対策をとっています。 私も被災地で話を聞きましたが、投票に向けて地元当局は一斉に準備を始めていて、大きく投票率が下がるような事態になる印象はあまり受けませんでした。 激戦州での災害対応が選挙にどう影響を及ぼすのか目が離せません。