ロックシーン狂乱 奈良出身THE ORAL CIGARETTES再始動
オーラルの「こうありたい」という夢は?
──オーラルの曲作りへの思いを教えてください。 山中:昔は一方的。俺らカッコいいでしょって好きなように作っていたけど、今は必ずお客さんの目線が入っているようになりました。人があってこその僕ら、オーラルやから。武器は歌謡曲のメロディーがロックの音に乗っているところや、シゲのリードギターのリフのインパクトかな。 鈴木:「The BKW Show!!」(メジャー1stアルバム)を作るとき、そのリードが何をやってもうまくつけられなくて。奈良に帰って5日間くらい、できないやばいぞと。そのときすごく反省して、自分のフレーズはオーラルに必要なものなんだと自覚して、日々フレーズを意識して聴いたり、思いついたものを録りとめておくようにしました。自由に羽のばして作ったフレーズを、拓也の曲にはめていくのが楽しいですね。 ──歌詞についてはどうですか? 山中:歌詞がすごく大事だと意識し始めたのは「オレンジの抜け殻、私が生きたアイの証」(1st mini album)。毎回コンセプトを設けて、「オレンジの抜け殻~」は人間の汚い部分、裏の部分。そういうのを見るのが好きなので。「起死回生STORY」(メジャー1stシングル)は、今から俺たちのし上がっていくぞという宣戦布告の意味を込めて。 「The BKW Show!!」では、自分の裏の部分、こういう人間なんだよって知ってもらいたいと。「エイミー」はラブソング。僕の実失恋の実体験、その感情を書き留めていたのがサウンドに合うかもと。そして「カンタンナコト」は社会への皮肉。シニカルな部分もオーラルの持ち味なので。当時、自分たちの中でもやもやがあって。オーラルってこういうバンドってうわさだけで広がっている。でも、僕らはライブバンド、だから自分の目で見てほしいと。それで気に入らなかったら来なくていいし好きならついてきてと。それで「そんな簡単に言うな」って言葉も。 ──最後にオーラルの夢、こうありたいという思いを。 山中:昔は「武道館」とか言ってたけど、今は周りのバンドと比べるのは違うなと。自分たちがそのとき考えたことを正直にやる。将来大きくなっても、等身大のオーラルで居続けたい。あとはメンバーと仲良くやっていきたいです。 鈴木:日本を代表するバンドになっていたい。やるべくしてやっていくようなバンド。無理して背伸びしたり、急いで周りに合わせたりする必要はないなと。お客さんと地道に、一歩一歩の歩幅を大きくしていきたいですね。