福島県の25~30年度人口減対策 若者定着に重点、働き方改革も促進
県は25日、2025~30年度の人口減少対策の指針となる次期総合戦略の素案を示した。県外流出が大きな課題となっている若者の県内定着やUターンを重点的に進めるため、働き方改革や魅力的な職場づくり、県内企業の情報発信などの取り組みを推進する。教育の充実にもこれまで以上に力を入れる方針で、本県の特色を生かした地方創生に取り組むことで人口減の抑制につなげたい考えだ。 県庁で開いた地域創生・人口減少対策本部会議で示した。働き方改革や若者定着に向けた主な取り組みは【表】の通り。働き方改革では、男性の育児休業の取得促進や労働環境改善による女性が働きやすい職場環境づくりを支援。若者のUターン促進に向けては交流サイト(SNS)の活用や首都圏の大学などと連携した県内企業の情報発信などに取り組む方針だ。小中学生が地元企業で職業体験などができる機会を増やすなど、県内企業への理解や愛着を深めてもらう取り組みも進める。 また、県内で暮らす外国人が本県人口の1%を超えた現状を踏まえ、地域住民との交流機会の創出など多文化共生の意識醸成を図ることも新たに盛り込んだ。結婚・子育て支援や移住・定住の促進、交流人口の拡大などこれまでの取り組みもさらに強化することで自然減、社会面の両面から人口減少対策を進める方針だ。 現在の県内人口は約174万人。若者を中心とした転出超過に少子化が重なり、19年から5年間で10万人減少している。直近5年間の転出超過数はいずれも6千人台で推移しており、対策が急務となっている。本部会議では5年ぶりに見直した県人口ビジョンについて「40年に県人口150万人程度」との目標を堅持することも正式に決定した。内堀雅雄知事は、若者や女性の視点に立った対策が必要だとの危機感を示した上で「多くの人が福島で働きたい、福島に住み続けたいと思える魅力ある県づくりに一丸となって取り組もう」と各部局長に呼びかけた。総合戦略は県民の意見公募などを経て本年度中に正式決定する。
福島民友新聞社