龍馬に思いはせる…誕生祭で生家跡に100人、愛した桂浜の浮世絵寄贈、メダリスト4人龍馬賞
幕末の志士・坂本龍馬の誕生日にあたる15日、高知市内では祭りや名前を冠した賞の授賞式などが開かれ、多くの人が土佐の偉人に思いをはせた。(小野温久、田中志歩) 【写真】龍馬賞を受賞した桜井選手(左)と池選手(左から2人目)ら(高知市で) 高知市上町の生家跡に立つ記念碑前では15日、第46回龍馬誕生祭が開かれ、式典には県内外から約100人が参加した。 地元住民らによる実行委員会が主催。出席者は雨の中、神事に続き龍馬の肖像画が飾られた碑に玉串をささげた。浜田知事は「時代を見通す先見性や行動力は混迷の時代の現代人を魅了してやまない。志や精神が末永く引き継がれることを祈念する」と祝辞を述べた。
地元の小学生が龍馬への手紙を披露した後、市立城西中2年の男児が龍馬に学んだ志をスピーチ。「古いものにこだわらずに新しいものを取り入れて、日本の未来のためとなる考え方を次の世代に伝えていきたい。失敗しても粘り強く立ち上がり挑戦する、強い人になりたい」と力強く語った。 式典には龍馬ファンらも多く駆けつけた。東京から父親と参加した保育園年長の男児(5)は龍馬のテレビドラマをよく見ているといい、「みんなを助けるからかっこいい。龍馬さんみたいな人になる」と笑顔だった。
◇ 坂本龍馬が郷里で最も愛したといわれる桂浜(高知市)を背景に龍馬と姉・乙女を描いた浮世絵「龍馬が見た景色・桂浜」が完成し、14日に企画・制作した龍馬の子孫らが県庁を訪れて浜田知事に贈呈した。 企画・制作したのは坂本家10代当主・坂本 匡弘(まさひろ)さん(59)と版元の「版三」(東京)。匡弘さんらは維新の立役者だった龍馬が江戸と京都などを往復したとされる東海道の情景をどう見たのだろうかとの思いに駆られ、浮世絵「東海道五十三次」を基に龍馬と名所を描いた作品制作に取り組んでいる。
桂浜編の浮世絵は来年の龍馬生誕190年を記念して企画。龍馬と乙女が並んで望む光景は、浜辺がカラフルな五色石で彩られ、竜王岬の沖には坂本家本家の屋号「才谷屋」の帆を張った回船が航行するなど、絵師が当時に近い桂浜の風景写真を参考に描いたという。 浜田知事と懇談した匡弘さんは「龍馬生誕190年を盛り上げ、観光など地域活性化に役立ててほしい」と話した。 また、15日には高知市役所にも同じ浮世絵が寄贈された。