投資はどこで入って、どこで降りる? 2024年9月時点のS&P500のチャートをもとにテクニカル分析を実践
今回は、「どこで入って、どこで降りる?」をテーマにテクニカル分析について紹介します。当記事では2024年9月14日時点のS&P500のチャートを取り扱い、テクニカル分析について勉強していきましょう。 S&P500といっても、通常見るドルベースのチャートではなく、円換算したチャートを用います。なぜならば、私たち日本人投資家は円高・ドル安の影響を考慮する必要があるためです。
週足における現状確認
下図は、円ベースのS&P500の週足チャートです。外国株など自国通貨以外の金融商品に投資する場合は、為替の変動を考慮する必要があります。このため、チャートを円ベースにしています。 テクニカル分析上、S&P500は非常に難しい局面にありますが、この原因はドル安・円高の影響によるものです。ドルベースのチャートでは現在、史上最高値付近にまで値を戻していますが、円ベースでは調整局面の真っ只中にあります。 投資初心者は「週足」の意味が感覚的に理解しづらいと思いますが、週足の目線は中期です。3年~5年程度と見ておくとよいでしょう。 ※今回は現状分析を「強気シナリオ」のもとで行います。今回のケースとは対照的に「弱気シナリオ」も描くことができますが、テクニカル分析を行い「どこで入って、どこで降りるか」を学習することが目的であるため、便宜上強気シナリオのみ掲載しています。
<図表 S&P500(週足)> ※TradingView提供(解説を目的に使用しております) それでは、2024年9月14日時点の状況を確認してみましょう。 1 900付近で天井を付けている。 2 天井を付けた後、50週移動平均線とぶつかった。 3 その後、半値戻しとなったが、再度円高(ドル安)が進み、反落している。 4 9月14日時点、50週移動平均線と下値のトレンドライン(細い青の線)付近で止まっている。 5 MACDは下落トレンドを描いている。 シナリオ分岐は、現状で調整局面(下落局面)が終わっているかどうかです。 1 終わっていると考える場合、「ここから上昇するだろう」という仮説を立てる。 2 終わっていないと考える場合、もう一段の下落(例えば、50週移動平均線を下回るなど)を想定する。 この時点でMACDの方向性を再度確認すると、下落トレンドを描いている最中であり、反転上昇する兆しが全く見えないため、「中期的には下がる可能性が高いだろう」と推論できます。 下げると仮定する場合、どこまで下がる可能性があるか候補値を確認しましょう。フィボナッチ・リトレースメントを見ると、0.382の水準である640付近が、第一の下げの目途として確認できます。 この水準は、先行き、200週移動平均線の軌道と接する可能性が高いため、下げの目途としては可能性が高いと見ることができます。 このシナリオは「強気シナリオ」なので、円高(ドル安)が落ち着いてからS&P500が反転上昇する可能性が高いことを想定します。つまり、640付近まで下がった後、反転上昇するかもしれないと見立てます。