8両編成になった通勤特急も未だに止まらない!?ちょっとかわいそうな阪急宝塚本線・蛍池駅 今や大阪空港の玄関口なのに…
蛍池駅は大阪府豊中市にあり、阪急宝塚本線と大阪モノレールが乗り入れます。大阪モノレール蛍池駅の西隣は大阪空港駅であり、大阪国際空港(伊丹空港)の最寄駅にあたります。そのようなことから、蛍池駅では阪急宝塚本線から大阪モノレールに乗り換えるビジネスパーソンをよく見かけます。 【写真】ホームの両端にある踏切道…このためホームが伸ばせず、10両編成の列車が止まれませんでした ところが、蛍池駅には特急日生エクスプレスや通勤特急は止まりません。なぜ、大阪空港の利用者が愛用する駅にもかかわらず、全種別が止まらないのでしょうか。
空への接続駅としての蛍池駅
宝塚本線の蛍池駅には普通、準急、急行が停車します。大阪梅田駅から大阪空港駅までは蛍池経由で約25分です。大阪「キタ」の梅田から30分ほどで大阪空港にアクセスできるため、蛍池駅は空への接続駅としての顔を持ち合わせています。 しかし、特急日生エクスプレスや通勤特急は蛍池駅には止まりません。過去のダイヤを見ても、全種別が同駅に停車したことはありません。 そもそも、蛍池駅が急行停車駅になったのは約20年前の2003年8月のダイヤ改正のときでした。 大阪モノレールが大阪空港に延伸した1997年以前は、蛍池駅から大阪空港行きの路線バスはありましたが、蛍池駅が「空への接続駅」という印象はありませんでした。大阪空港へはターミナル駅からリムジンバスの利用が一般的だったように思えます。
8両化になった今も通勤特急は通過
しかし、10両編成の列車は蛍池駅には止まりませんでした。通過する理由はホームの両端にある踏切道です。踏切道があるためホームを伸ばせず、8両編成が限界でした。 宝塚本線では2022年12月ダイヤ改正で10両編成での運行を取りやめました。従来、10両編成で運行されていた通勤特急も8両編成になりました。減車されたわけですが、それでも通勤特急は蛍池駅には止まりません。通勤特急と急行の違いは「蛍池駅に止まるかどうか」です。 本当に現行ダイヤでは通勤特急は蛍池駅に停車できないのでしょうか。豊中駅の大阪梅田方面のダイヤを見ると、通勤特急の3分前に発車する普通列車は曽根駅で通勤特急に抜かされます。そして、通勤特急の2分後に準急が発車します。 現行ダイヤのままで通勤特急が蛍池駅に停車すると、普通の曽根駅での待機時間が伸び、後続の準急もつっかえるので難しいのでしょう。 蛍池駅の朝ラッシュ時の時刻表を見ると、大阪梅田駅まで22分~23分で到達する急行・準急が7~10分間隔で発車します。特段の不便さは感じさせませんが、それでも豊中駅や石橋阪大前駅と比較すると、優等列車の停車本数が少ないのは現実です。