8両編成になった通勤特急も未だに止まらない!?ちょっとかわいそうな阪急宝塚本線・蛍池駅 今や大阪空港の玄関口なのに…
蛍池駅と他駅との差は路線バスにあり
今度は1日あたりの乗降客数を見てみましょう。蛍池駅の1日乗降客数は約34000人です。隣駅の豊中駅は約4万人、全種別が停車する石橋阪大前駅・池田駅・川西能勢口駅の各駅の乗降客数は約36000~約37000人です。蛍池駅はこれら4駅と比較すると、ちょっとだけ少ないのです。 乗降客数の差の要因として、路線バスの乗り入れの有無が挙げられます。実は蛍池駅には路線バスが乗り入れていません。 阪急バスは2023年11月のダイヤ改正にて運転手不足に伴い4路線を廃止。路線廃止に伴い、駅前にあったバス停「蛍池」は消滅しました。 駅前の小ぶりなバスターミナルには関西空港行きのリムジンバスが乗り入れるだけです。このリムジンバスも1日上下各10本以下しか停車しないので、蛍池駅の乗降客数にはあまり貢献していないように思われます。 一方、豊中駅、石橋阪大前駅、池田駅、川西能勢口駅からは阪急バスが運営する路線バスが出発します。 次に羽田空港からの搭乗客は大阪梅田方面朝ラッシュ時の電車を利用するのでしょうか。羽田空港から大阪空港行き初発便の大阪空港到着時刻は7時30分、7時35分です。次の便は8時10分着ですから、阪急蛍池駅ホームに着くころには8時30分以降になることでしょう。 大阪空港に7時台に着陸する航空便は計2便(2月29日)に限られます。他の時間帯よりも、朝ラッシュ時に大阪梅田方面の列車に乗車する搭乗客数は少ないように思います。
利用者増の蛍池駅に特急系種別の停車はあるか
それでは蛍池駅の乗降客数が大幅減かと言われると、そうではありません。コロナ禍を別にすると、むしろ増加しています。 豊中市の資料を見ると、2013年度の阪急蛍池駅の1日乗降客数は4万人を少し下回ってしましたが、2018年度は43000人を記録しました。特に2014年頃の伸びは顕著で、大阪モノレール蛍池駅や千里中央駅も同様に増加傾向でした。増加の要因として、大阪空港の利用増や大阪モノレール沿線の開発が考えられます。 2002年度と比較すると、約1.4倍です。一方、豊中駅は緩やかな下落傾向にあり、2018年度は約53000人でした。 これらのデータを見ると、「路線バスが乗り入れさえすれば、蛍池駅にも通勤特急が停車したのでは」と思ってしまいます。今後の宝塚本線ダイヤ改正の要チェックポイントです。 (まいどなニュース特約・新田 浩之)
まいどなニュース