人生に「失敗」なんてない――溢れ出るポジティブ力、アンミカの原点
「人生に失敗なし」と考えている
中学生になると弟と妹の面倒を見ながら新聞配達のアルバイト。夢に向かってがむしゃらに突き進み、やがてパリコレモデルへの切符を手に入れる……こうしたエピソードは本人の著書やこれまでのインタビューに詳しい。彼女は言う「人は誰でも、いつでも。ポジティブになる才能がある」と。 「両親と五人きょうだいの狭い家での貧しい暮らしや、階段から落ちた際の顔の怪我など、幼少期はコンプレックスの塊でした。 穏やかで何事もポジティブに捉える母が、自信がなく相手の目を見ることが苦手だった私に、『姿勢をよくして胸に目があると思ってその目を相手に向ける』『口角を上げて笑顔を作る』『笑顔でいれば脳も笑い脳になる』『聞き方、話し方の会話術』など手取り足取り教えてくれて。気がつけば大人に褒められるようになり、どんどん自信を付け、明るい子に育っていきました」
「家族にはとても恵まれましたが、両親が揃って元気だったのは10歳くらいまで。親が病に倒れ、火事にも遭い、親戚の家にきょうだいバラバラに預けられたり、教会にお世話になったりと、安定した日々はあまりなかったように思います。教会では、年齢も国籍も家庭環境もさまざまな子たちと一緒でした。それぞれの痛みに触れるうちに、『笑顔でいたければ、自分から笑顔の種を巻くこと』と言う母の言葉を思い出しました。人と人は鏡。どんなに暗い相談も、笑顔で親身に話を聞いているうちに、相手に笑顔が伝染し、心も軽くなってくるのです」 「教会の神父様からは、『自分に起こる出来事は、乗り越えられるから神様は与えた。自分の器を信頼するんだよ』と教えられました。『若い頃に苦労をしておけば、大人になった時に弱ってる人の心に寄り添ってあげられる。それが人の強さだよ』とも。誰か大人が、私たちを見放さずに面倒を見てくれているからこそ、今の自分がいる。それは社会に見放されていないということ。辛い境遇、暗闇を知ると言うことは、光のありがたみが誰よりわかる。他の誰かを照らしてあげられる存在になるために今、予習をさせてもらっているんだと」