神商非鉄、今期アルミ板販売1割増・3万2500トン目指す。半導体製造装置向け捕捉
神商非鉄(社長・岩崎洋介氏)は今期のアルミ板(薄板・厚板)販売量を前年比10%増の3万2500トンまで引き上げる。前期に不調だった厚板は半導体製造装置需要が海外向けで増加傾向にあるほか、下期後半には国内需要も回復すると見込む。薄板は建材や自動車材用途でほぼ横ばいと見ている。 神商非鉄はアルミ圧延品や伸銅品を扱う神鋼商事の直系非鉄商社。神戸製鋼所のアルミ厚板の神鋼商事グループにおける販売窓口機能を持つほか、大阪コイルセンター(大阪市西淀川区)ではレベラーシャーを稼働させ、国内外のアルミ薄板を主に流通向けなどに販売している。 前期のアルミ板販売は、主力の厚板は半導体製造装置需要が停滞局面にあったため、数量は伸び悩みを余儀なくされた。また建材向けが多い薄板も、首都圏再開発案件や大阪・関西万博向けで期待感があったものの工期遅れや資材価格の高騰でアルミ使用量が減少するなどし、全般に振るわなかった。2023年度の販売数量は2万9600トンだった。 一方で今期は前期比10%増の3万2500トンを見込む。厚板は国内の需要回復が「下期の後半になると予想されている。足元でも期待感は出ているが、大きな動きには至っていない」(岩崎社長)。しかしながら東南アジアで需要の回復が始まっており、輸出向け販売の増加を見込んでいる。 薄板は建材向けが今期は端境期となる見込みのため、横ばいと予想。「来期以降の需要回復に期待したい」(同)とした。このほか新規分野として車両や船舶関連需要の取り込みも狙う方針。 今期から始まった新中期経営計画では、最終年度の26年度に4万トン超の販売を目指している。「高い数値目標ではあるが、厚板の需要回復本格化などに期待している」(同)。