高校生の娘が看護師になりたがっていますが、進学費用が大変です……。自治体にも奨学金制度があると聞いたのですが、どのようなものですか?
子どもの進学にあたって、進学費用が進路選択のハードルとなってしまうケースがあります。奨学金を希望しても、民間の奨学金は競争率が高く受けられない可能性もあります。 ただし、看護学校への進学を考えている方は、自治体の奨学金制度を利用することが可能です。民間の奨学金制度と合わせて、自治体の奨学金制度を知っておくことで、選択肢を広げられるでしょう。本記事では、東京都の制度を例に、自治体で受けられる看護学校の奨学金制度を解説します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
自治体で受けられる看護学校の奨学金制度
一般的な大学に進学する場合、日本学生支援機構の奨学金制度を利用する方が多いでしょう。 看護学校に進学する場合でも、日本学生支援機構の給付型・貸与型の奨学金の申請は可能です。ただし、看護学校に進学を目指す高校生の場合、自治体で受けられる奨学金制度として看護師等修学資金貸与制度を利用できます。 本項では、東京都を例に看護師等修学資金貸与制度について解説します。 ■看護師等修学資金貸与事業の内容や利用条件 東京都の看護師等修学資金貸与事業は、看護学校等の看護師等養成施設に在学し、将来都内で継続して5年以上看護業務に従事する意思がある方を対象に修学資金を貸与する制度です。また、次のような条件に当てはまるかどうかも貸与資格の条件となっています。 ・成績優秀で心身健全 ・経済的理由で修学が困難 ・同種の修学資金を借りていない 同種の修学資金を借りていない方が対象となっているため、他の奨学金制度との併用はできないため注意が必要です。 貸与資格の条件は自治体によって異なりますが、他の都道府県でも東京都と同様に、その自治体で看護業務に従事することが条件となっていることが多いと考えられます。詳しい条件は、お住まいの自治体に確認してみましょう。 ■高校からの進学時に看護師等修学資金貸与制度を利用したい場合 看護師等修学資金貸与制度は、看護師等養成学校に在学中の方を対象とした制度ですが、高校在学中に予約申し込みをすることができます。 東京都の場合、申し込み時点で都内に住所を有しており、都内の高校に在学している方が都内の看護師等養成施設に進学予定であれば申し込みが可能です。手続きは、都内の高等学校を通じて行われるので、希望する場合は在学中の高校の窓口で申し込みをしましょう。 予約申し込みをしておくことで、通常よりも早く修学資金が貸与されるため、学費支払いの負担を軽減できます。