党員不適切登録の自民・田畑裕明衆院議員、社員が架空党員にされたか尋ねた社長に「党費はあなたが払ったことにして」
富山県連によると、県内の党員数は昨年末時点で2万7910人。党費は中学校区ごとにある校下支部の役員が党員の自宅を回って集金し、市町村支部や選挙区支部を通じて県連に集まる。だが「党員本人が党費を払ったかどうかまでは県連で確認できない」(県連幹部)ため、誰が党費を支払ったかは支部の代表者である田畑氏にしかわからない。
県連はかつて党費を支払った人を明確にしようと、党本部に銀行振り込みの採用を求めたが、手数料負担や組織力低下が懸念され、実現しなかったという。
「臨時国会前に説明を」
県連幹部は「社員の党費を社長がまとめて払ったり、家族分を父親が肩代わりしたりということはある。ただ、本人の了承なく登録したり、実在しない党員を作ったりすることは聞いたことがない」と首をかしげる。
仮に誰かがポケットマネーで党費を支払っていたとすると、政治資金ではないため規正法には抵触しない。だが、勝手に他人の名前を使ったり、架空の人物を登録したりした点で田畑氏の道義上の責任は問われる。
田畑氏が明快な説明ができないことについて、あるベテラン県議は「秘書の入れ替わりが激しく、継続的に経理を見ているスタッフがいないことが原因ではないか」と推察した。
県連は23日、支部長・幹事長・事務局長会議を富山市内で開いた。県連会長の橘慶一郎・衆院議員は冒頭、「臨時国会の前にはしっかりと説明責任を果たしていただきたいという話を党本部からもしている」と明かした。衆院選総括が議題だったが田畑氏は欠席し、若手県議や職域支部長らから「何かしらの処分が必要だ」「来年の参院選は戦えない」といった意見が出たという。