【独自解説】「ウクライナとロシアだけの問題ではない」北朝鮮の派兵が日本に与える影響 『資源』『食料』の切り札を失ったら、次なるカードは『日本の技術』?拉致問題について“戦争当事国”と交渉できるのか―
ウクライナとロシアの戦争に、北朝鮮の正規軍がロシア側について派遣されたとして、世界的なニュースになっています。北朝鮮が得るもの・失うものは?日本に与える深刻な影響とは?『読売テレビ』高岡達之特別解説委員の解説です。 【動画で見る】北朝鮮がウクライナ侵攻に「参戦」か 特殊部隊など1万人超派兵 見返りは「資源」?日本にも「拉致問題」で影響⁉
■“ウクライナ対ロシアと北朝鮮”の戦争へ…「正規軍を派遣する」ということ
北朝鮮が正規軍を派遣することは、ある意味“ロシアへの究極の肩入れ”です。「アメリカやヨーロッパだって、今まで武器をたくさんウクライナに渡してきたじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、ここには決定的な違いがあります。
武器を応援で渡すことは、国際的には『支援』になります。直接、アメリカ“軍”が、ドイツ“軍”が、フランス“軍”が参加したわけではありません。
北朝鮮は正規軍ですから、北朝鮮国籍の人間が行くわけです。これは、世界的には「戦争の当事国に参加する」と見られます。つまり、今まではウクライナ対ロシアの戦争でしたが、“ウクライナ対ロシアと北朝鮮の戦争”になるということです。 ベラルーシなどロシア側の味方になる国はありましたが、ベラルーシですら、正規軍がウクライナ領内で戦闘しているわけではないので、ここに大きな違いがあります。
■北朝鮮の特殊部隊『暴風軍団』 ロシアが期待する“アジアのほうが優れている”もの
「人間を送り込む」ということには、メリット・デメリットがあります。 まず、今回派遣された部隊を見ていきます。全部で1万2000人いるといわれていますが、そのうちの5000人には『暴風軍団』という“あだ名”がついています。勝手についたあだ名だと思いますが、これは特殊部隊です。 特殊部隊の数については5000人と言いましたが、いろんな数が出ています。もちろん機密事項なので、出回っている数字には上下がありますから、正確には「1500~5000人ぐらいの間でいろんな数字が出ている」という言い方をしておきます。
特殊部隊というのは、ロシアにとって大変“うま味”があります。ロシアがやっている戦争は、“古典的な戦争”と言っては何ですが、たくさん兵隊や戦車を並べて、力で押し出すということをやっています。ただ、そんなことを北朝鮮には期待していません。自国のほうが“本家本元”です。 特殊部隊が行くのは、得意なことがあるからです。ロシア軍からすると、「北朝鮮にお任せしたほうが、お得意でしょ」ということをやってもらうわけです。
【関連記事】
- 【独自解説】ロシア軍機が日本の領空を侵犯 航空自衛隊が初めて「フレア」による警告実施 領空侵犯機にできるのは「退去」と「着陸」 今後自衛隊法第84条はどうなる?武器使用の明記で変わる各国の対応
- 【独自解説】『増殖する遺伝子』に不安の声?コロナ新ワクチン『レプリコン』に大きな波紋 製薬会社「接種者からの感染は起こり得ない」とするも、接種者“入店拒否”や医療機関に抗議電話も…騒動の背景を追う
- 【特集】なぜ『ドラッグストア』は生鮮食品に手を出したのか?その裏側には“儲けのからくり”が…強みを活かした独自戦略で差別化を図るドラッグストアの生き残り戦略を追う!
- 【年金企画】「旅行なんかいつでも行けると言って、最初で最後に…」子ども2人を育てながらローン返済に追われ、支え合ってきた夫が急死 今は愛犬たちと暮らす女性の“大切な年金の使い道”とは?
- 【いまだ逃走中】「毎日『八田逮捕』の知らせを待っていました」遺族の願いも虚しく…八田與一容疑者の『重要指名手配』継続・『捜査特別報奨金』期限延長が決定 「凶器を車に変えただけで、これは完全な殺人だ」あの日、一体何が―