スバルのステーションワゴンはやっぱりイイ!!! 新型レヴォーグの知られざる変化に迫る
一部改良を受けたスバル「レヴォーグ」に小川フミオが乗った! 【写真を見る】新型レヴォーグSTIスポーツEXの内外装などをチェック!!!(25枚)
レヴォーグの個性
最近の日本車には、唯一無二のキャラクターを持ったモデルが増えてきたように思う。いちはやく、個性を確立したのはスバル車で、こだわりの1台を探しているひとにはぴったりなのがレヴォーグだ。 レヴォーグの個性といったら、ボディスタイルはステーションワゴンタイプのみ。エンジンは水平対向4気筒のみ。駆動方式は全輪駆動のみ。といった、決め込みにある。 乗ってみれば、その組合せに納得! 完成度の高さが感じられる。そこもまた、ほかに類のない個性といえる。2023年10月に装備が一部変更されたスポーツグレード、レヴォーグSTIスポーツEX乗ったのは、同年12月。ようやくデリバリーが始まったのだ。 追加された装備は新世代を謳う「アイサイト」。従来のステレオカメラ方式に、あらたに広角単眼カメラを追加したのが構造的な特徴だ。そもそもレヴォーグには、カーブ前速度制御や高速道路の料金所前速度制御など高度な制御をおこなう「アイサイトX」が標準搭載されているので、運転支援システムがより強化されたのだ。 もうひとつ、新しい点は、東レが開発したウルトラスエード(人工皮革)のシート表皮を持つ「ブラックインテリアセレクション」の設定。見た目にくわえて、手触りのよさと、滑りにくいという機能性がセリングポイントだ。これも今回の試乗車に装備されていた。 試乗車は、スバルのスポーツ仕様を手がけるSTI(スバルテクニカインターナショナル)のサブネームを持つとおり、専用の電子制御ダンパーや大径テールカッター、それに専用デザインの18インチ・ロードホイールをそなえる。車体色も(試乗車とは違うが)WRブルーパールの設定はSTI仕様のみ。 いちおう書いておくと、STIには今回のスポーツと、より走りスポーツ性が高いスポーツRの設定がある。全輪駆動システムに違いがあり、前者は標準モデルとおなじ電子制御の「アクティブトルクスプリットAWD」で、後者のみ「不等&可変トルク配分VTD-AWD」だ。 4755mmの全長に対して1500mmの全高のボディは、伸びやかな印象で、これに変型ヘッドランプと大きめな開口部を持つフロント部や、ボンネット上のエアスクープ(これは好みの分かれるパーツ)、それに前後輪の存在を強調するフェンダーまわりの強い張りだし感が、一目でわかるレヴォーグの個性だ。 全高を抑えられる水平対向エンジンがセリングポイントのひとつなので、以前だったらもっとボンネットを低くすることもできただろう。いまは歩行者保護のため、ボンネットはある程度の高さをもって、万が一の事故のときは歩行者の身体を受け止めなくてはならないのだ。スバル車には、車体のなかでもっとも硬いAピラーに歩行者が激突して身体の損傷度合いが高くなるのを防ぐ「歩行者保護エアバッグ」もそなわる。レヴォーグも同様だ。