『南くんが恋人!?』八木勇征×沢村一樹の酌み交わす姿に涙 切ない雰囲気のまま最終回へ
自分がすでに死んでいる可能性をちよみ(飯沼愛)に打ち明けた南くん(八木勇征)。最終回前の『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)第7話は、公式X(旧Twitter)で「今夜はぜひ、ハンカチのご用意を」と予告されていた通り、涙なしには見られない回となった。 【写真】消えかけている南くん(八木勇征) 南くんからの辛すぎる告白を受け、子供っぽいと分かっていても耳を塞ぐことしかできなかったちよみ。現実から逃げるように2人で一緒にいる未来を空想するが、受け入れがたい現実が邪魔をして涙が溢れてくる。大切な人を失うかもしれない人間の反応として、あまりにリアルな飯沼愛の演技が胸に迫ってきた。 南くんもまた母親の薫子(八木亜希子)を病気で亡くしているから、ちよみの気持ちがよく理解できるのだろう。ちよみの前で努めて明るく振る舞う南くん。そうやって南くんも現実を受け入れられるようになるまで、薫子に長い目で見守ってもらったのかもしれない。 そんな薫子がいつか言ったのと同じように、南くんはちよみに「こんな時間をちよみと過ごせるんだから、俺は幸せだ」と語りかける。本当は南くんが一番辛いはずなのに、自分を心配してくれるその優しさにちよみは涙が止まらなかった。 南くんが小さくなってから意外な一面をたくさん知ったちよみ。気後れするほど完璧だと思っていた南くんは結構子供っぽいところもあって、初めて真正面から喧嘩もした。だけど、小さくなっても南くんはいつだってちよみに力を与えてくれる最高の彼氏だ。 南くんが本当に死んでいるのかどうかはわからないけれど、一緒に過ごせる時間を大切にすると決めたちよみは、カラオケで本作の挿入歌でもあるゆずの「夏色」を歌う。涙で声が詰まって歌えないちよみと、そんなちよみを温かく見守りながら優しい歌声を響かせる南くん。今までで一番切なくて、素敵な「夏色」だった。 その後、南くんは薫子が病気になってから関係性がこじれていた父・晴幸(沢村一樹)と向き合うことに。薫子はあまり例のない病気で亡くなっており、研究対象としていつも大勢の医者に囲まれていた。その状況を許した晴幸のことを恨んでいた南くん。だが、それは薫子が遺伝性の病気である可能性も踏まえ、南くんのために自ら許可していたことだった。それなのに晴幸のせいにしてしまったことを南くんはビデオメッセージを通じて謝罪する。 大切な妻を亡くし、息子とも悲しみを分かち合えなくてきっと辛かっただろうに、晴幸もここまで南くんを優しく見守ってきたのだ。「僕はお父さんが大好きでした」の一言で親子の間に張っていた氷が溶けていく。「会いたいなあ、浩之(南くん)に」という晴幸の素直な言葉にまた泣かされた。南くんも本当はビデオメッセージだけのつもりだったが、晴幸の前に姿を現す。最初は困惑していたが、すぐに南くんが小さくなったことを受け入れる晴幸。ちよみが気を遣って2人きりにしてあげた後、南くんと晴幸は初めてお酒を酌み交わした。 一方、久しぶりに一人になって寂しさを感じていたちよみの前に現れたのは楓(木村佳乃)だ。実はその前日、楓はちよみと南くんの会話を聞いてしまっていた。信太郎(武田真治)にも小さい南くんを目撃したことを打ち明けられ、話し合って2人が告白してくれるのを待つことに決めた楓。その上で、重大な秘密を抱えている娘に「あなたがどんな選択をしても、あなたを支持する」と味方であることを伝えにきたのだ。 ちよみと南くんが、そんな家族の温かさに触れた第7話。2人はちよみの家族にも真実を打ち明ける覚悟を決め、楓たちの前についに姿を現した南くん。家族は大袈裟に驚きもせず、南くんを受け入れ、夜はみんなで花火を楽しむ。そんな中、ちよみは南くんの身体が一瞬透けていることに気づくのだった。それでも現実を受け入れ始めたのか、南くんに微笑みかけるちよみの姿が、夏も終わりかけているこの季節も相まって切ない。次週は早くも最終回。何かに気づいたかのように住所録を調べ始めた晴幸が南くんを助ける方法を見つけ出してくれることを祈っている。
苫とり子