中日次期監督は落合か?与田か?立浪か?
与田剛氏の可能性
そこでまだ新聞紙上で名前は出ていないが、次期監督候補として浮上しているのが、NHK解説者の与田剛である。監督経験はないが、2度、WBCでピッチングコーチを務めた。テレビの解説などの評判もいい。中日からロッテ、日本ハム、阪神と渡り歩いたが、中日時代の元祖150キロストッパーとしての印象がファンにも強く、47歳の若さと新鮮なイメージで閑古鳥が鳴くナゴヤドームの観客動員を戻すことに寄与できるのかもしれない。 メジャーリーグの取材では、積極的にコーチなどから話を聞き、指導者としての引き出しを増やした。彼の野球を学ぶ姿勢は、監督経験がないまま、監督就任して北海道日ハムで成功した栗山監督と重なる。経験豊かな野手出身のヘッドコーチを側に置けば、監督として面白い存在なのかもしれない。
落合博満前監督の復帰説が浮上
ただ、ここにきて落合博満前監督の復帰説も、オーナー周辺サイドからの情報として流れている。勝っても増えない観客動員の低迷が、監督としての9年目の契約を更新しなかった理由とされていたが、高木監督になってさらに客は入らなくなったのだから、それは、もうネガティブな理由とはならない。また落合氏の再登板時に次期監督候補をスタッフに加えてもらい指導者としての英才教育を施してもらうという大儀も作れる。 元々、中日という球団は、“苦しい時の再登板”という監督交代が切り札として用いられてきた過去を持つチーム。星野仙一氏も2度やったし高木守道氏も再登板だ。チームの再建が急務とされている今こそ、8年の監督在籍中、一度としてBクラスには落ちずリーグ優勝4度いう抜群の実績を持つ優勝請負人への再登板への期待も高まる。 白石オーナーは大の“落合信者”。落合氏が受けるかどうかは微妙だが、オーナーからのホットラインで、直々の監督要請があれば“断れないだろう”とは考えられる。
本命は落合前監督
本命・落合、対抗・与田、穴・立浪。 ファンの方にとって重要な監督人事に予想マークを付けるのは甚だ失礼だが、中日の監督レースの現状は、こういうことだろう。いずれにしろ、CSへの道も断たれたのだから、早急に次期監督を決定して、来年に向けての準備を始めなければならない。それはプロ球団としてファンに対する義務でもある。 (文責・本郷陽一/論スポ、アスリートジャーナル)