ABEMAツアー賞金王・生源寺龍憲が目指すところ 「ひとつでも上のフィールドで戦いたい」
23年シーズンJGTO下部ツアー「ABEMAツアー」で1125万3106円を獲得し、歴代最高賞金で賞金王に輝いた生源寺龍憲。1月16日からタイのスプリングフィールド・ロイヤルCCとレイクビュー・リゾート&GCの2会場で実施されるアジアンツアーのQスクールに向けたトレーニングの合間にインタビューに応えてくれた。 生源寺龍憲プロのアイアン連続写真
強気の発言で自身を鼓舞
“生源寺”という珍しい名前と、身長が162センチの小柄な体で23年6月「ジャパンクリエイトチャレンジin 福岡雷山」、同年7月「南秋田CCみちのくチャレンジ」とABEMAツアーで2連勝を飾ったことで編集部内でも話題になり、初コンタクトをとったのが8月のレギュラーツアー「横浜ミナト Championship ~Fujiki Centennial~」。線状降水帯が発生したコンディションが悪いなか、礼儀正しく、難しい質問に対しても真摯に応えてくれた。あれから約5カ月。23年シーズンの振り返りと、24年シーズンに向けた思いを聞いた。 「ABEMAツアーの初優勝は『ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山』。プレーオフでの優勝だったんですが、僕が先にバーディパットを決めて、2オンした服部(雅也)君のバーディパットが残っていて。『入れてくるだろうし、次のホールかな』って思ったら、外れての優勝。それまで、勝てそうで勝てなかったんで、ほっとしたし、本当に嬉しかったです。開幕から『今年は勝ってもおかしくないな』と自分では思ってたし、『何で勝てないんだろ』という感情だったので、『やっと勝てたな』って感じでした」と本人が話すように、5月の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE inFUKUI」では初日に64を出し、2位に2打差をつけた首位スタートもあった(とはいえ、2日目に昨季ワーストの78で予選落ち)し、同月「太平洋クラブチャレンジトーナメント」では優勝した富村真治と2打差の2位タイと、このときすでにABEMAツアーで上位の実力を備えていたといえる。 初優勝した次の試合でも優勝。その要因を聞くと、「感覚的には『ふつうにやったら勝てるだろう』と(笑)。そのときの調子が良いというよりも、1勝して、ここまで自分のやってきたことに間違いはなかったという自信もあって。他のプレーヤーに比べても自分の実力は高いし、抜けているという感覚も芽生えていたので、やっぱり勝てるなって思っていました」。“生源寺は強気の発言で自身を鼓舞するところがある”とJGTOの公式HPにも書いてあるのも頷ける。 その流れで史上最高額でABEMAツアーの賞金王に輝いた。「賞金王はもちろん獲りたいと思いましたけど、2勝目を挙げたところで、“賞金王”より“3勝目”が欲しかったんです。だから、3勝目を目指してゴルフをしていたら賞金王だったって感じ。2勝目からはずっと優勝争いしていて、パッティングでリズム作れなかったり、最終日に伸ばせなかったりで、結果としては3勝目に到達できなかったんですけど……」。2連勝後はレギュラーツアーにも出場するようになり、ABEMAツアーには5試合中3試合の出場にとどまったが、その3試合で3打差の3位タイ、2打差の4位タイ、1打差の2位タイとしっかり優勝争いをしている。また「23年シーズンのABEMAツアーの上位3~5人はレギュラーツアーでも十分トップを争える力があると思うし、自分もそこに入っていけると思っている」と生源寺が言うように、生源寺よりも先にABEMAツアー2連勝を達成した鈴木晃祐や同1勝の杉原大河、金子駆大などはレギュラーツアーでシード権を獲得している。