ヤクルトの19歳村上が史上最年少逆転サヨナラ本塁打で一歩リード? どうなる!セ、パの新人王争い
プロ野球は残り40試合を切り終盤戦に突入。優勝争いと同時にセ、パの新人王争いも熾烈になってきた。セでは“大本命”のヤクルトの村上宗隆(19、九州学院から2017年ドラフト1位)が12日、横浜DeNA戦で史上最年少記録となる逆転サヨナラ2ランを放ち、頭ひとつ抜け出した。パではソフトバンクの新人セットアッパー、甲斐野央(22、東洋大からドラフト1位)が、日ハム戦でピンチを連続三振で切り抜けて存在感を示す。果たして一生に一度しかない栄誉を手にするのは誰になるのか?
「6試合で新人4人がヒーローになった異例の一日」
ルーキーが輝いた異例の一日だった。 なんと、この日、セ、パ6試合中、4試合でルーキーがお立ち台に上がったのだ。 神宮では2点ビハインドで迎えた9回にバレンティンの24号ソロで1点差に迫り、なお無死一塁で6番の村上は、横浜DeNAの守護神、山崎康晃のウイニングショットであるシンカーを初球から狙い打った。やや、落ちの甘かったシンカーをうまくバットに乗せてバックスクリーンの右に運んだ。劇的な逆転サヨナラ2ラン。19歳6か月のサヨナラ本塁打は史上最年少。お立ち台で「最高です!」と叫んだ。 ナゴヤドームでは梅津晃大(22、東洋大からドラフト2位)がプロ初登板初勝利。最速150キロをマークしたストレートで、阪神打線をぐいぐいと押し込み6回を投げて4者連続三振を含む7奪三振、4安打1失点。彼もウイニングボールを手に「バッターに向かっていく心を一番考えて投げた。球速ではなく向かっていけた」と、興奮気味に喋った。 梅津は自主トレ中の故障で出遅れたが、“東洋大3羽ガラス”の一人として先陣を切っていた甲斐野もヤフオクドームで存在感を示す。 7回一死二、三塁の場面で嘉弥真新也から4番手の甲斐野がバトンを受ける。大田泰示、近藤健介の好打者を相手にいずれも宝刀のフォークで連続三振。大ピンチを脱し、チームの勝利に貢献するヒーローとなった。試合後には、先発の和田毅と一緒にお立ち台に呼ばれた。 仙台では、横浜高校の名将、渡辺元智・元監督を祖父に持つ渡邊佳明(22、明大からドラフト6位)が延長10回二死一塁からライト線を破るプロ初のサヨナラ打。ヒーローインタビューでは、勝負強さの秘密を聞かれて、「毎日、爪痕を残そうと思っているんで、その結果」と答えた。この試合はバントミスなどもあったが、ディクソンの変化球をすくったバットコントロールは見事。2試合連続の殊勲打で祖父に横浜高で鍛えられた勝負強さが際立った。 プロ野球の新人王争いが熾烈になっている。この日、活躍した中日の梅津、楽天の渡邉の2人は数字的に厳しいが、セでは5人が有力候補だ。ヤクルトの村上、阪神の1番打者に定着し、その快足を生かしてヤクルトの山田哲人、中日の大島洋平と盗塁王争いをしている近本光司(24、大阪ガスからドラフト1位)、開幕からローテーに抜擢されて、防御率、3.69、6勝4敗の成績を残している“東洋大3羽カラス”の一人、上茶谷大河(22、東洋大からドラフト1位)、不調で先の阪神戦でKO後に2軍降格となったが、ここまで広島のローテーを支えた3年目の左腕の床田寛樹(24、中部学院大からドラフト3位)も防御率、3.08、6勝6敗の成績で新人王レースに名を連ねている。先日、ヤクルト相手に好投した巨人の左腕、高橋優貴(22、八戸学院大からドラフト1位)も防御率、3.25、4勝4敗で後ろから追い上げている。