【10万人に1人】病気と生きる車いすの花嫁、次なる夢は“新しい家族のカタチ”
マッチングアプリで叶えた“結婚”の夢
さまざまな活動を続けていくなかで、明里さんには内に秘めた「夢」があった。それは「結婚」。しかし、出会いの場が少なく限られているため、現代の主流となりつつある「マッチングアプリ」を通して、2022年9月から結婚相手を探していた。しかし、メッセージのやりとりや対面で会った際、病気のことを伝えると“音信不通”に。そんななか、ついに2023年1月、明里さんは運命の人と出会うことになった。お相手は、東京に本社を構える化学メーカーの課長代理、営業マンTさん。 マッチングアプリで明里さんの病気のことを知ったTさんは、中京テレビの動画配信を実家の母と一緒に視聴。テレビ取材で何一つ隠すことなく、事実を公表し続けてきた明里さんと母の弥生さんの姿を目にした。すると、動画を一緒に見ていた母から、「こんな苦労をしてきたお嬢さんをあなたはしっかりと支えて守ってあげなさい」という言葉が。母の言葉に後押しされたTさんは、明里さんと名古屋港水族館へ初デートへ。明里さんに“結婚に前提に付き合ってほしい“と想いを伝え、二人の交際がスタートした。
結婚を前提に、順調に交際を続けていた明里さんとTさん。しかし、2月の終わりにTさんへ転勤の辞令が!東京本社へ戻ることになってしまった。転勤を受けて、挙式の準備は急ピッチで進行。Tさんは隔週で金曜日の夜に東京から明里さんのもとへ、そして日曜日の夕方に東京へ帰るという生活へ。そんな生活を続けながら、二人は式場選び、オーダーメイドの結婚指輪依頼、挙式の前撮りと着々と準備を進めていった。そして、二人は2023年11月22日(いい夫婦の日)に、明里さんの住む可児市へ婚姻届けを提出。明里さんはTさんと共に新たな人生を歩み始めた。
パートナーと築く“新しい家族のカタチ”
いわゆる“転勤族”のTさん。以前は大阪に10年、名古屋に8年暮らしており、またいつ転勤辞令がでるのか分からない。さらに海外にも支店が多く、海外転勤となったら、明里さんはついていくことはできない。そのため、明里さんの祖父母が暮らしていた「離れ」を新居として構え、Tさんが明里さんの元へと通う日々がしばらく続くという。 “いつかはTさんの元で一緒に暮らしたい”そんな想いから、明里さんはペインクリニックの主治医に、Tさんの自宅付近にある病院への紹介状を書いてもらった。タイミングを見て、紹介先の病院へ出向き、現在と同様の対症療法が行えるか受診する予定だ。しかし、その病院への移動には、母・弥生さんの介助が必要。さらに、東京でTさんと暮らすことが叶っても、万が一、明里さんの体に異変が起こった時、どこまでTさんはケアすることができるのか。順風満帆にことが進む二人だが、立ちはだかる壁は大きい。