「入試と生理が重なる」受験生の不安に〝赤本〟で対策を 書店で無料啓発冊子を配布
本格的な入試シーズンを迎えたことを受け、受験生に最大限の力を発揮してもらおうと、大学の過去問題集「赤本」(教学社)とユニ・チャームがタッグを組み、入試における生理ケアをまとめた赤本そっくりの冊子の無料配布を始めた。生理痛や経血の漏れで試験や受験勉強に集中できないという女子受験生の悩みに寄り添い、対策法を啓発している。冊子は全国の主要書店で手にすることができる。 【アンケート】あなたは大学受験や受験勉強で何がどれくらい不安ですか? ■過去問売り場で 東京・新宿にある紀伊国屋書店新宿本店。12月上旬に7階の学習参考書売り場をのぞくと、各大学の過去問題集が書棚を埋めていた。 その一角に、自由に持ち帰ることのできる「受験生の生理対策」と書かれた冊子が置かれている。表紙のデザインは棚に並ぶ「赤本」とよく似ている。教学社とユニ・チャームによる、生理に悩む女子受験生を応援する取り組みだという。 冊子を開くと、受験当日に生理が重ならないようにするため、婦人科を受診して「低用量ピル」を処方してもらう方法があることや、生理痛への対処として鎮痛剤を適切に使うこと、生理管理アプリを使って体調を把握する習慣をつけることなどが紹介されている。 ■母娘の温度差も ユニ・チャームが今年8月に実施した調査によると、一般入試で大学入学を目指す高校3年生の女子100人のうち「受験日と生理が重なるかどうか不安」と回答した人は85%に上った。 一方、高校3年生の娘を持つ母親100人への調査では、大学入試を控えた娘にしてあげたいこととして「インフルエンザやコロナなど感染症に感染しないよう注意したい」との回答が91%あったが、「生理と受験が重ならないよう対策することに注意したい」は44%にとどまった。娘と母親の間で生理を巡って温度差があることが浮き彫りとなった。 ユニ・チャーム担当者は「冊子が親子の対話のきっかけとなり、女子受験生が安心して入試本番を迎えられるように準備してもらえたら」と話す。 生理対策をまとめた赤本冊子はなくなり次第終了となる。配布先は同社サイトで案内している。(篠原那美)