俳優の岸谷五朗さん、福井県越前市の「越前国府大使」就任 「光る君へ」紫式部の父・為時役 越前和紙の名刺受け取る
放送中のNHK大河ドラマ「光る君へ」で、紫式部の父で越前国司を務めた藤原為時を演じる岸谷五朗さん(60)が11月18日、福井県越前市の歴史・文化をPRする「越前国府 千年のときをつむぐ大使」(略称・越前国府大使)に就任した。越前和紙の委嘱状と名刺を受け取った岸谷さんは「一枚一枚が芸術」と感動し、伝統の技の発信に意欲を示した。 平安時代に為時が国司の政務を行った越前国府が越前市に置かれていたことにちなみ、市が委嘱した。市武生中央公園に開設中のしきぶきぶんミュージアムでセレモニーが行われた。 ファンら約50人が見守る中、スーツ姿の岸谷さんが笑顔で登場。越前国府の所在地特定を目指す発掘調査の成果を直前に見学したことを明かし、「平安時代の(撮影セットの)参考になるものが生まれるかもしれない。越前のおかげで歴史が変わります」と今後の進展に期待を膨らませた。 山田賢一市長が「越前国府は千年を超える歴史と文化の象徴。紫式部が文学の素養を育んだ豊かな歴史が息づいている。世界に広く伝えてください」と述べ、越前和紙の人間国宝の岩野市兵衛さんが漉(す)いた奉書紙の委嘱状を授与。越前和紙の名刺も手渡した。大使としての活動について、岸谷さんは報道陣の取材に「できることを提案していただけたら頑張って参加したい」と意気込みを語った。 岸谷さんはセレモニーで、3度目の訪問となった越前市について「大好きな場所。『あー帰ってきたな』という気分になる」と印象を話した。前日の17日夜に放送されたドラマの大事な回を視聴しなかったのは「(県内滞在中で)越前がにに負けてしまったから」と笑いを誘い、「最高においしかったです」と福井が誇る冬の味覚の王者に太鼓判を押していた。
福井新聞社