駒村多恵さん 母の送迎時間に間に合うように帰る日々 延長利用が難しくなったデイの意外な事情
タレント、アナウンサーとして活躍する“コマタエ”こと駒村多恵さんが、要介護5の実母との2人暮らしをつづります。ポジティブで明るいその考え方が、本人は無意識であるところに暮らしのヒントがあるようです。今回は、最近、デイサービスの延長や臨時利用の申請がなかなか通らなくなったことについてのお話です。 【本編】写真を見る 急に放送休止となった日、普段仕事をしている時間を利用して、紅葉狩りや温泉を楽しみました
デイサービス送迎問題
我が家はデイサービスなくして生活が成り立ちません。デイの送迎時間は曜日によって決まっているのですが、私がイレギュラーの予定を入れたい時は、前もって延長や臨時利用を申請し、私の帰宅より遅い時間に母の帰宅をお願いしていました。ところが、最近何度か申請したものの、いずれも断られ、どの曜日も難しいと伝えられました。 「実は、送迎が組めないんです」 利用者の利用年数が長くなると徐々に介護度も上がり、車いすユーザーが増えた結果、送迎車の車いすスペースが争奪戦となっているというのです。ゆえに、預かることは可能でも、お休みの方が出ない限り送迎が出来ないとのことでした。思えば私の母も、お世話になり始めた頃は自力で通所できるほどスタスタ歩いていたのですが、少しずつ衰え、車いすでの通所となって久しいです。他の利用者さんも段階を経て車いすでの通所に移行しているはず。送迎車は何台かあるのですが、車いすスペースは1台につき1つか2つ。30分以内に往復できるお宅から送って1時間に2往復するなど、送迎ルートをパズルのように組み立て、何とか多くの人を運べるように工夫しているそうです。最近「臨時利用承ります」のチラシも消えていたわけです。 これ、1年前だったらと思うと、青くなりました。というのも、私は股関節唇と半月板を断裂して突然歩けなくなり、週2回ほどリハビリに通っていました。いつも混んでいるので3時間ほど見積もっておかねばならず、通常の送迎時間に帰宅するのはどう考えても難しく、予約を取るやいなや、デイに私の帰宅予想時間をお伝えし、その都度送迎時間を調整してもらっていたのです。断裂が今年じゃなくて良かったというのと、調整いただいて本当に有難かったと改めて思いました。 そういえば、母の介護がこれから始まるとわかって、色々なデイサービスを見学に行っていた時、活動内容や雰囲気が良いので利用を検討しようと思ったら、住所を見て通所を断られることがありました。我が家の方向に住んでいる利用者さんが少ないので送迎ルートを組めないとか、同じ町内でも、ある道路を境に、3丁目の人までは受け入れるけれど、4丁目の人はエリア外とか。区内であればどのデイサービスでも利用できるわけではなく、枠が空いていたとしても、送迎が利用の可否を左右することもあると知りました。それだけ送迎は重要事項。以来、母の送迎時間に何としても間に合わせるように走って帰る日々が始まったのです。 ケアマネジャーさんに、デイの送迎車の車いす枠が足りていないらしいとお話すると、「送迎もなんだけど、お風呂もよ! 今ほんとになくて困ってるの!」と勢いよく言われました。続けて、「家だと危ないからデイでお願いしたい人が多いんだけど、入浴の枠がいっぱいで…もう隣の区で探さないといけないと思ってるところ」。 全体的に、デイを利用する人や車いすユーザーが増えてきたことで、様々な想定外が起きているようです。加えて、我が家の周辺では、日中預かってくれる施設が一時的に減っているという事情も。通所リハビリ施設が、採算が取れないからと訪問に切り替えて施設を閉めたり、建物の老朽化に伴い来年建て替えるからと、新規の利用者は受けず、徐々に規模を縮小しているデイサービスもあったり。 母もその施設を週1回利用していますが、お湯が出なくなったとか、エレベータが故障してもメーカーに部品がなくて次に故障したらどうしようかと話していると聞くと、建て替えはむしろ急務と感じます。 実はケアマネさんが、4月から別のデイを探してくれているのですが、半年経ってもまだ決まっていません。次から次へと問題はやってきて、悩ましい。