首都圏地盤の「オーケー」が初出店…関西のスーパー競争激化
首都圏が地盤の格安スーパー「オーケー」(横浜市)が26日、大阪府東大阪市に、関西初出店となる「オーケー高井田店」を開業した。物価高で消費者の節約志向が高まる中、規模の限られた地場スーパーの存在感が大きい関西で、関東など他地域を地盤とするスーパーの進出が相次いでいる。(北野浩暉)
「魅力ある市場」
高井田店周辺は「ライフ」「万代」などが立地するスーパー激戦区だが、オーケーの二宮涼太郎社長は「関西は魅力ある市場で、どんどん出店が決まっている」と強気だ。大阪府や兵庫県を中心に、関西で出店を進めるという。
オーケーは、あらゆる商品をいつでも低価格で販売する「エブリデー・ロープライス」を掲げ、東京など1都3県に156店舗を構える。関西進出に向け、2021年に関西スーパーマーケット(現関西フードマーケット)へ株式公開買い付け(TOB)による買収提案をしたが、関西フードは流通大手エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングと経営統合。自力での出店を余儀なくされた。
競合するスーパー各社は、品ぞろえの拡充や価格競争力の底上げといった対抗策を練る。「ライフ」を展開するライフコーポレーションの岩崎高治社長は「同質化競争には陥らない」とし、プライベートブランド(PB)の強化などを進める。オーケーの先手を打ち、高井田店の総菜や冷凍食品などの売り場を広げ、10月に改装オープンさせた。一方、平和堂の平松正嗣社長は「絶対に負けない価格を出していく」と真っ正面から価格勝負を挑む考えだ。
他地域から続々
関西では、他地域から進出してきたスーパーの新規出店が続く。大容量で低価格の精肉、総菜などが特長のロピア(川崎市)は、20年に大阪府寝屋川市に初出店した。兵庫県や奈良県などでも出店を繰り返し、関西の店舗数は20に達した。また、近年は食品の品ぞろえを強化したドラッグストアとの競争も激しい。
「イズミヤ」「関西スーパー」などを展開する関西フードの林克弘社長は「食品スーパーを取り巻く環境は楽観視できない」と警戒心を募らせる。
他地域から関西への進出が相次ぐ背景には、人口の規模や密集度が高く、参入の余地が大きいことがある。流通アナリストの中井彰人さんは「関西は人口減少が緩やかで、比較的参入しやすいことも要因ではないか」と分析する。