【砂川ヒグマハンター訴訟】「跳弾で弾道変わり建物に到達する恐れあった」ハンターの訴え認めた一審判決を札幌高裁が取り消し 公安委の"銃所持許可取り消し"認める判決…「クマ駆除に支障出る」とハンター上告へ
2018年8月、北海道砂川市でヒグマを駆除したハンターが猟銃所持許可を取り消され、処分は不当だとして、北海道に処分取り消しを求めている裁判の控訴審で10月18日、札幌高等裁判所は「跳弾により弾道が変化するなどし、建物5軒に到達する恐れがあった」などとして、一審の判決を取り消し、ハンター側の訴えを棄却しました。
この裁判は、2018年8月21日午前7時40分ごろ、ハンターの池上治男さんが、砂川市宮城の沢でライフルを発砲し、クマ1頭を駆除しました。一方、北海道公安委員会は「建物に届く恐れのある方向に撃った」などとして、2019年4月に池上さんのライフル銃の所持許可を取り消しました。 これに対し池上さんは、道公安員会の判断が裁量権を逸脱・濫用したものだとして、処分の取り消しを求めていました。
2021年12月の札幌地方裁判所の一審判決では、廣瀬孝裁判長は「処分は妥当性を欠き裁量権を濫用・逸脱したものだ」として池上さんの主張を認め道の処分を取り消しました。 これに対し、判決を不服とした道公安員会側が控訴していました。
18日、札幌高等裁判所で開かれた控訴審の判決公判で、小河原寧裁判長は「ヒグマに命中したとしても、跳弾により弾道が変化するなどして、周辺の建物5軒に到達する恐れがあった」とした上で「本件発射は建物等に向かってする銃行為に当たる」などとして、一審判決を取り消し、池上さんの処分取り消し請求を棄却しました。 今回の判決を受け、池上さんは会見を開き、「理解を超越した不当な判決だ。今後銃を使った駆除が簡単にできなくなる」として、なるべく早く、上告する考えを示しています。
UHB 北海道文化放送
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