子ども同士の対話がめちゃくちゃ盛り上がる教師の言葉掛け
コトバ①
「主人公の気持ちを,ハートに表しましょう」
全員が取り組め,聞きたくなる活動を促す
国語の読み取りの授業。子どもたちに,「この場面のスーホの気持ちをハートに表しましょう」という課題を与えます。 スーホというのは,『スーホの白い馬』(2年生 光村図書下巻)に出てくる主人公の名前。モンゴルに伝わる物語です。飼っていた白馬が死んでしまって悲しんでいたスーホ。白馬が夢に現れて,「自分を組み立てて,馬頭琴という楽器にしてください」と話します。スーホは白馬に会いたい一心で白馬の骨や皮を使って馬頭琴を組み立てていくのです。 さて,そのような場面の主人公スーホの心情を問うたのが,先の「ハートに表しましょう」という教室コトバです。 言葉ではなく,「簡単な図解」に置き換えて考えを聞く。これは全員が活動に入り込めるようにするために有効な手段です。 例えばこの場合,「この場面のスーホの気持ちはどのような気持ちですか」とストレートに問うこともできます。しかし,それでは言える(書ける)子もいますが,すぐには考えをつくることができない子も出てきます。そこで,「ハート型」の図形を子どもたちに提示して,その中を塗らせるのです。 先の物語の場面は,白馬を失った悲しみの中に,馬頭琴として白馬に出会えるかもしれない,という希望が生まれた場面。いわば,白馬との再会の場面です。 子どもたちは,その時のスーホの気持ちを,次の写真のような様々なハートで表しました。これならば,どの子も自分の考えを〈まずは〉つくることができます。全員が取り組めるわけですね。 そして,このように「簡単な図解」で表させることには,もう一つメリットがあります。それは,完成した図解を見た子どもたちは,仲間の図解について「どうしてそのような図解を描いたのか聞きたくなる」ということ。これが,大きいのです。そこで,2つ目のコトバ。
コトバ②
「聞きたいねえ」「聞きたいのはどれですか」