”超”初心者向け！ PayPayの新資産形成サービス「おまかせ運用」をレビュー
「収益を重視」で十分
この「PayPayおまかせ運用」は2商品しかなく、”おまかせ”という文言からも初心者をターゲットとしていることは明らかだ。そのため、既存の投資家が今回のサービスで大金を投じることはないだろう。 だが、ポイント運用しか経験がないような、まったく初心者が投資の世界にエントリーするには、このくらいシンプルなサービスが良いのかもしれない。おっかなびっくり足を踏み入れる人に対して、さまざまな心配りが行き届いている。 なお、はじめて運用するなら、「収益を重視」のキャピタル世界株式ファンド（DC年金つみたて専用）だけで十分だと思われる。投資をするなら確かに分散させる必要はあるが、オルカン型と同等のこの商品も十分に分散されているからだ。 また、「収益を重視」は、NISAのつみたて投資枠でしか運用できない。非課税となる年間の限度額は120万円で、ビギナーには程よい制限となるはずだ。 ある程度慣れたら、NISAの成長投資枠および特定口座で運用できる、「安定を重視」のeMAXIS／PayPay証券 全世界バランスへ食指を広げても良いだろう。いや、むしろ「PayPay資産運用」へ鞍替えしてもいいかもしれない。より奥深い、投資の世界を心地よく楽しめるはずだ。
まとめ
仮に自分が初心者として同サービスを利用するとしたら、やはり「収益を重視」を選ぶと思う。「安定を重視」よりもリスクは高めだが、少額で運用するため多少のリスクは気にしないと思う。 いや、単純に何も気にせず“収益”という言葉に惹かれていたかもしれない。おそらく、そこにPayPay証券のマーケティング戦略的な意図を感じる。だが、まんまとそれに乗せられても問題はないだろう。 ちなみに信託報酬は、キャピタル世界株式ファンドもeMAXIS／PayPay証券 全世界バランスも、一般的なロボアドバイザーの1.1％に比べればやや低い。だが、新NISAで人気のオルカン型やS&P500型のインデックスファンドに比べると、10倍近い数値になっている。そこは一応、心に留めておきたい。 とはいえ、PayPayは何かとポイントキャンペーンを打っている。普段からPayPayを決済に利用している投資未経験者は、つみたて額に応じてポイントがもらえる「PayPayおまかせ運用」も利用して、そのメリットを享受しても良いかもしれない。 ※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
長田 真,山口伸
