”超”初心者向け！ PayPayの新資産形成サービス「おまかせ運用」をレビュー
利用するには証券口座が必要になる
次に「PayPayおまかせ運用」の利用方法を見ていこう。 PayPayのミニアプリメニューから「おまかせ運用」を選び、まずは証券口座を開設しよう。しかし、PayPay内で利用されるものなので、口座開設といえども圧倒的な手軽さで実行できる。 ミニアプリが利用できるようになったら「収益を重視」「安定を重視」という2種類の運用法から選択。あとは、積立設定を登録すればおまかせ（＝自動）で運用するという仕組みだ。2つの運用法については、後述する投資信託に該当する。 積立設定では頻度・金額を設定可能。頻度は毎日・毎週・毎月・1回だけの4設定がある。金額は100円以上、1円単位での積立が可能だ。PayPayマネーで購入し、オートチャージ機能を使えば、不足分を銀行口座から入金できる。 NISA口座のつみたて投資枠、成長投資枠のどちらでも運用可能。新NISAで投資デビューを果たしたい初心者にも向いている。
収益を重視・安定を重視、2つの運用法
次に2つの運用法について見ていこう。運用法には、「収益を重視」と「安定を重視」の2つが存在するが、どちらも固定の投資信託銘柄を選択することになる。だが、双方とも初心者向けの低リスク商品で、PayPay証券が厳選したものだ。 運用法 収益を重視 安定を重視 銘柄 キャピタル世界株式ファンド（DC年金つみたて専用） eMAXIS／PayPay証券全世界バランス 特徴 株式中心でインデックスを上回る成績を期待できる。 さまざまな資産に分散し、安定的に資産を増やせる。 投資対象 世界各国の株式 国内外の株式・債券・不動産など 取引可能な口座 NISAつみたて投資枠 NISA成長投資枠 特定口座 それぞれ、個々に細かく解説していこう。 収益を重視：キャピタル世界株式ファンド 「利益を重視」を選択した場合、運用先の投資信託は「キャピタル世界株式ファンド（DC年金つみたて専用）」となる。信託報酬は1.085%だ。なお、NISAつみたて投資枠でしか運用できない。 この商品は、世界有数の資産運用会社キャピタル・グループが運用する商品で、ほぼ株式で運用される。国別では欧米比率が高い。 米国…51.28% フランス…9.62% イギリス…5.93% デンマーク…3.93％ 日本…3.81% その他国…20.78％ 現金・その他…4.65％ 業種別ではIT・20.8%、ヘルスケア・14.9%、資本財＆サービス・14.7%と続く。上位3銘柄はマイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、ノボ ノルディスクで、いずれも構成比率は3%台だ。聞きなれないノボ ノルディスクはデンマークの製薬会社である。 およそ6割を米国が占める一般的なオルカン型投資信託より米国比率は低いが、類似商品と言っていいだろう。ちなみにアクティブ型であるため、インデックスより高いパフォーマンスを期待する商品である。 この商品のメリットは世界的に分散されている点だ。だが、株式100%であるために、後述の「安定を重視」よりもややリスクが高い点がデメリットとなる。 安定を重視：eMAXIS／PayPay証券 全世界バランス 「安定を重視」を選択した場合、運用先の投資信託は「eMAXIS／PayPay証券 全世界バランス」となる。信託報酬は0.99%だ。こちらは、NISAを利用した場合、成長投資枠となるが、特定口座でも運用ができる。 この商品は、三菱UFJアセットマネジメントが9月20日に設定した商品であり、今回のPayPayおまかせ運用リリースを見据えた動きとみられる。安定重視を目的としているためキャピタル世界株式ファンドと違って債券を含むのが特徴的だ。比率は次の通り。 株式 …57.1%（米国・42.3%、日本・11.2%、新興国3.6%） 公社債 …33.0%（先進国・23.2%、日本・3.4%、新興国6.4%） リート …10.0%（全て先進国） 端的にいえば約3割の公社債で安定性を確保した先進国株ファンドである。株式の中だけで見れば約7割が米国だ。 債券を含んでいる分、安定性が高く低リスクという点がメリット。だが、前述の「収益を重視」よりも収益性を期待できないという点がデメリットだ。
