父から就職祝いに「カルティエ」の腕時計をもらいました。こういったお祝いでも「税金」はかかるのでしょうか? モノなら大丈夫ですか?
就職という人生の大きな節目に、父から記念の品をもらうというのは、忘れられない特別な瞬間です。しかし、この喜びの裏で、意外と知られていないのが「贈与税」の存在です。特に100万円以上の価値があるカルティエの時計のような高価な贈り物の場合、税金がかかる可能性があります。詳しく見ていきましょう。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
110万円以上の場合は贈与税がかかる
国税庁のホームページによると、年間に受け取る贈与の総額が110万円を超えた場合、贈与税が発生します。つまり、もし父から受け取ったカルティエの腕時計が110万円以上の価値があれば、贈与税の対象となる可能性があるのです。 例えば、カルティエの腕時計が120万円の価値があるとしたら、110万円を超える部分、つまり10万円に対して贈与税がかかることになります。重要なのは、この110万円というのは年間の総贈与額に対して適用されるので、年内に他にも高価な贈り物や現金などを受け取る場合は合計額が重要になります。
【これだけ知っていればOK!】贈与税の計算方法を解説
贈与税の計算方法は意外とシンプルです。贈与された財産の総額から基礎控除110万円を差し引き、残った金額に対して税率が適用されます。税率は贈与される財産の金額と受贈者との関係によって変わります。具体的には、受け取り側が成人しており、直系尊属(例えば父母や祖父母)からの贈り物の場合は特別贈与として優遇されます。 計算式は以下です。 贈与税額=(贈与された合計額-基礎控除110万円)× 税率-控除額 例として、贈られたカルティエの腕時計が500万円だったとします。この場合の贈与税は、500万円から基礎控除110万円を引いた390万円に対して計算されます。390万円に税率15%を掛けて控除額10万円を減算すると、贈与税額は48万5000円になります。 基礎控除額110万円を減算した後の課税価格と、税率および控除額の関係は図表1の表のとおりです。 図表1
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)より筆者作成 <注釈>今回は就職祝いということで、質問者は成人(18歳以上)を想定しており、「特例贈与財産用」の表を参考にしています。対して、「一般贈与財産用」の計算方法は少し異なります