万博リングの再利用は全体の「8分の1」の見通し…想定「4分の1」から半減、木材価格下落で需要減
2025年大阪・関西万博のシンボルとして建設が進む大屋根(リング)について、閉幕後の再利用は、当初想定していた全体の「4分の1」から「8分の1」程度に半減する見通しであることが、関係者への取材でわかった。木材価格の下落などで引き取り手が減ったという。
リングは1周約2キロ、幅30メートル、高さ12~20メートルで、約2万7000立方メートルの木材を使用する。建設費は344億円。
日本国際博覧会協会は2月、閉幕後の活用案を公募。自治体や学校法人など20団体が手を挙げ、このうち5団体程度に約6000立方メートルを入札を経て引き渡す方向で調整していた。しかし、木材価格の下落でニーズが低下。引き渡し時期が合わない団体もあり、再利用は約3500立方メートルにとどまる見通しだという。農林水産省によると、リングに使用されているスギやヒノキの価格は、対前年比で5%前後下落している。