【医師解説】“手のしびれ・痛み”を放置するリスク「仕事や生活にマイナスな影響が出る」
手のしびれや痛みを放置するリスク
編集部: 例えば、どんな悪影響が考えられますか? 山﨑先生: 症状が強まるのはもちろんのこと、動かしにくさなどが重症化すると仕事のパフォーマンスに影響を及ぼします。「職場に迷惑をかけたくない」と、しびれを我慢して動かし続けて重症化してしまうと、治療のために仕事を休まなければいけなくなることもあり、かえって職場に迷惑をかけてしまうかもしれません。休職することによる経済的なデメリットもありますし、重症化してからの治療だと治療自体に時間を要したり、回復が難しかったりする場合があるので、早めに対処しましょう。 編集部: 手のしびれや痛みを感じたら、どうすればいいですか? 山﨑先生: あまり我慢せずに、まずはお近くの医療機関に相談しましょう。その際、「いつからしびれがあるのか」「何かきっかけはあったか」などを時系列でまとめておくと説明しやすいと思います。 編集部: 「しびれで受診するのは、大げさかもしれない」と思ってしまいます。 山﨑先生: お気持ちはよくわかりますが、神経に何かしらの異常があってしびれを引き起こしていることが考えられるため、一度しっかりと検査した方がいいと思います。受診した結果、「なんともありません」「軽症なので様子を見ていて大丈夫」となっても、安心して過ごせることの方が大切なので、軽症で受診するのは恥ずかしいことではないですよ。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 山﨑先生: 手のしびれや痛みは、神経が圧迫されたり引っ張られたりしているサインかもしれません。放っておくと重症化したり、回復が難しかったりする場合があるため、気がついたら早めの受診をおすすめします。受診してみて「大したことなかった」という結果も安心につながると思うので、気兼ねなくご相談いただきたいです。
編集部まとめ
私たちの生活に「手の動き」は、欠かせません。手のしびれや痛みは多くの場合、脳と手をつなぐ神経がどこかで圧迫されたり引っ張られたりすることで起こるとのことでした。我慢している間に重症化し、治療に時間やお金がかかってしまうことも考えられるので、気になる症状があったら、放置せずに医療機関を受診しましょう。
監修医師:
山﨑 厚郎 先生(くらげ整形外科) 金沢大学医学部医学科(現・金沢大学医薬保健学域医学類)卒業。その後、千葉県がんセンター、千葉県こども病院、成田赤十字病院、聖隷佐倉市民病院、千葉市立青葉病院、君津中央病院などで勤務医として経験を積む。2020年、千葉県千葉市花見川区に「くらげ整形外科」を開院。「安心してうけられる、当たり前の医療」をモットーに、日々より良い医療の提供に邁進している。医学博士。日本手外科学会認定手外科専門医、日本整形外科学会認定専門医。日本肘関節学会会員。