北陸新幹線の車中で遭遇した能登半島地震 12時間立ち往生…旅行でも最低限の備えの必要性痛感
■荷物が多くなる旅行や帰省の時こそ、防災グッズを持ち歩く必要がある
電気がついたのは、2日の午前1時半前。暖房もついて、トイレにも自由に行けるようになった。 スマホの充電をしながら運転再開を待つ。疲労はピークだったが、停電が解消して気持ちが少し前向きになった。 運転再開の見込みのアナウンスがあったのは、午前3時前。そこから速度を落として運転しながら、富山駅に到着したのは午前4時過ぎだった。 新幹線に乗って20分程度移動する予定が、12時間もかかってしまった。 災害は日を選ばない。どこで起きるかわからない。 荷物が多くなる旅行や帰省の時こそ、防災グッズを持ち歩く必要性があると思った。
■旅行や帰省の際に便利な防災グッズは
関西テレビ・newsランナーなどで天気予報を担当している気象予報士で防災士の片平敦さんに、旅行や帰省の際に便利な防災グッズについて聞いた。 【携帯用トイレ】 新幹線のようにトイレが備え付けられているのであれば大丈夫ですが、在来線の場合や、自家用車で移動中に車の立ち往生に遭ってしまった場合など、持っていると安心です。コンパクトなサイズも最近は売り出されています。 【モバイルバッテリー】 災害時に怖いことのひとつが「今、何が起こっているか分からない」ということです。フル充電したモバイルバッテリーがあると、スマホを使って災害の状況を把握したり、家族や友人と連絡もできます。最近は「カイロ」になるモバイルバッテリーもあり、寒い季節には普段使いして、いざという時には充電用に活用するという便利な製品もあります。
■「飴」が非常食代わりになることも
非常食も携帯するべきなのだろうか? 【片平敦さん】「携帯できる非常食などは、あると良いのですが、普段から持ち歩いていて、かさばるうえに、いざという時に賞味期限が大幅に過ぎていたら…と考えると、案外、飴など普段から口にするようなものでも十分ということもあります」 片平さんによると、備えは1日程度、身動きが取れなくなった状態を想定するのが現実的だと指摘する。 【片平敦さん】「2日以上になれば、大雪による立ち往生でも助けが来ますし、電車の運転見合わせも解消されることが普通です。それ以上の期間の足止めは、大規模な災害の場合だと思います」 これからの季節、大雪などで立ち往生が発生する可能性もある。突然の災害の備えとして、日ごろから必要最低限の防災グッズを携帯してほしい。
関西テレビ記者 吉永莉絵 共同通信記者などをへて関西テレビ報道センターWEB編集部記者。 関心分野は防災や地方創生。趣味は温泉とサウナ。
関西テレビ
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