「うちのスタッフはすごい」福永祐一厩舎の〝アップデート〟に期待です/三嶋まりえコラム
今週木曜は、美浦トレセンに福永調教師の姿が。たちまち報道陣に囲まれた師の取材は、1時間にも及びました。興味深い話の連発。本当に楽しそうに、管理馬の成長や調教メニューによる変化、厩舎スタッフとの会話などを語る姿に、私を含めみんな目を輝かせながら聞き入っていました。 そんな中で何度も出てきたのは「うちのスタッフはすごい」という言葉です。精鋭が揃うだけに、知識も経験も豊富。カイ食いがあまり良くなかった2歳馬は、体をつくるのがうまい厩務員を担当させ、入厩時に比べ、馬体重が20キロ増。カイバのつけ方を工夫し、調教を積みながら、体が増えていったそうなんです。「その辺の引き出しを持っているのが、うちのスタッフの強み」と福永師は目を細めます。開業して3か月足らずで、すでに5勝。勝率13・5%、複勝率45・9%とかなりの好成績を残している要因には、スタッフの優秀さももちろんあるのでしょう。 ですが、「これで満足してもらっては困る」と師。時には従業員の気をしっかりと引き締めて、先々を見据えます。師の話を聞いていると、スタッフ、馬主…といろんな立場に立って思考を巡らせながら、「馬にとって何がベストか」を考えているのがひしひしと伝わってきました。これから先、福永厩舎はどんどんアップデートを続けていくと思います。その様子をぜひ、また取材したいなと思います。 今週京都5Rには、カムイカルがスタンバイ。私が栗東出張に行った際、福永厩舎の調教に騎乗することが多い今村騎手が「調教、動いてるんですよ」と教えてくれたのがこの馬でした。実際に栗東坂路で行われた2週前追い切りでは、4ハロン53・5秒を馬なりでマーク。栗東ウッドで行われた1週前は、オープン馬、3勝クラスとの3頭併せで最先着とかなりいい動きを見せているんです。「万全やね。入厩初日がうるさかったから、競馬に行ってイレ込む可能性はある。様子を見て二重メンコなど対策を取るつもり」と同師。初陣を勝利で飾ってほしいと思います。(「ウイニング競馬」出演中)
三嶋 まりえ