斎藤兵庫県知事 不信任決議案可決「結果責任は重い」辞職か解散か、進退については明言せず
兵庫県の斎藤元彦知事(46)がパワハラなどの疑惑を告発された問題で19日、県議会全会派による不信任決議案が共同提出され、全会一致で可決された。斎藤氏は、10日以内に辞職か議会解散かの決断を迫られる。知事の不信任決議可決は記録が残る1966年以降、全国で5例目。解散を選べば初めてとなる。可決直後に取材に応じた斎藤氏は「結果責任は重い」と受け止めつつ、今後については熟考する姿勢を示した。 【写真】自身への不信任決議案の採決を待つ斎藤元彦知事 うつむき神妙な面持ち 自身に対する不信任決議案が全会一致で可決され、議場に拍手が起こっても、斎藤知事はほとんど表情を変えず。口を真一文字に結び、正面を見据え続けた。 可決後に、斎藤知事は「今の状況を招いているのは私に責任がある」と、自身の責任に言及。7月に死亡した元県幹部の男性が配布した、疑惑告発文書への対応については「法的にきちっとやってきた面はあると思っている」と、これまでの主張を崩さなかったが、「それでもなおこういう状況になったという結果責任は負わないといけない」と話した。 不信任決議案の討論では、各会派の議員から「遅かれ早かれ失職は免れない」や、告発文書調査の初動対応について「不適切の極み」などと厳しい批判の言葉を浴びせられた。また選挙の大義がないことや、費用の問題から辞職を決断するよう促される場面も多く見られた。 進退については明言しなかったが、「大変重い議会側の選択。私にとってもとても重い状況を示された。しっかりと考えることが大事。兵庫県にとってどういうことが大事か、を考えながら、自分自身の心に問いながら考えていきたい」と最終的な決断は一人で下すことを明かした。 報道陣からは辞職か議会解散か、さらにダブル選挙の可能性を問う声が何度も上がったが、斎藤知事は一貫して「先ほど可決したばかり。大変重い判断になりますので、これからしっかり考えていく」と繰り返した。 知事不信任決議案の可決は5例目で解散を選べば史上初。辞職、失職した場合は50日以内に知事選が行われる。解散ならば40日以内に県議会選挙が行われるが、改選後の議会で3分の2以上が出席し、過半数が賛成すれば不信任決議が成立し、知事は失職する。 自身の責任を認める一方で、「改革を進めさせていただいて、新しい時代に向かって自分なりにやってきた。それを続けていくということが私としては大事」と県政への強い思いものぞかせた斎藤知事。その判断に注目が集まる。