安倍氏はトランプ氏と「ゴルフ外交」…ゴルフしない石破氏が不安な日本
石破茂首相が11日に開催される特別国会で首相再指名を目指す。日本メディアは石破首相が首相職を維持するとみているが、30年ぶりに首相指名選挙が決選投票にもつれ込むとみられ、再出発する石破政権の将来は順調ではない見通しだ。 ◆キャスティングボート握った国民民主党 衆院選挙の惨敗で少数与党の状況を迎えた石破首相にとって重要なカギは28議席を握る国民民主党だ。国民民主党の玉木雄一郎代表は8日、外国特派員協会で会見し、首相指名選挙で石破首相にも野党第一党・立憲民主党の野田佳彦代表にも投票しない方針を明らかにした。 1次首相指名選挙で全体465議席の過半(233議席)の票を受けることができなければ、上位2人が決選投票に進む。決選投票では多くの票を受けた候補が首相に指名されるが、候補でない名前を書いて出せば無効処理される。国民民主党はもちろん日本維新の会など野党がそれぞれ自党代表の名前を書いて出す「無効票」を選択すれば、自然に石破首相が再指名される公算が大きくなる。玉木代表は「民心は政治資金問題で与党に過半数(議席を)与えなかった」とし、石破首相を支持できない理由を明らかにした。石破首相が率いる連立与党(自民党+公明党)と政策面で「部分連合」はできるが、直接的な支持はできないということだ。 ◆30年ぶり野党予算委員長 首相再指名は石破首相としては安堵することだが、政権危機の兆候があちこちで表れている。この日に開かれた衆院各派協議会で、30年ぶりに自民党が独占してきた予算委員長を野党(立憲民主党)に配分することで合意したのが代表的な例だ。予算委は国政全般の課題を扱うため、首相を含むすべての閣僚が出席し、テレビ中継まで行われるほどだ。NHKによると、17ある常任委員長のうち野党側に渡ったのは7つにのぼる。野党が従来持っていた4つより増えたうえ、要職の予算委員長までが立憲民主党に渡ることになり、事実上主導権を奪われたという評価まで出ている。 ◆ゴルフを十数年していないが… 石破首相の支持率が先月初めより12ポイント落ちた34%(朝日新聞の調査)と表れたうえ、7日に開かれた自民党議員懇談会で「早期辞任」要求まで出てきたのも石破首相には不安要素だ。退陣論にまではつながらなかったが、来年7月に参議院選挙を控えていて「石破首相で選挙を行うことはできない」という声が高まる可能性がある。毎日新聞は、来年3月の本予算通過まで国民民主党を抱えながら石破政権で克服するしかないという見解が党内で強まっている、と伝えた。 石破首相が進めている今月中のトランプ氏との面会など首脳外交についても不安な視線が存在する。安倍晋三元首相のようにトランプ氏と「ゴルフ外交」ができるのかということだ。産経新聞は首脳間の信頼関係を重視するトランプ大統領と石破首相が安倍首相時代のように親密な関係を築けるのかと疑問を表示した。石破首相が十数年間ゴルフをしていない点にも言及されている。時事通信は「トランプ次期大統領との信頼関係の構築は、自身の政権を左右しかねない難題」とし「内政に追われ、外交に力を注げるのかという問題もある」と指摘した。