和歌山県の鉄道「総崩れ」の危機? 年間30億円の赤字垂れ流し区間も! 人口維持さえ難しい現状、国への要望だけで路線を守れるのか
車社会の進行、地方鉄道の未来を考える
このため、和歌山県は国の2025年度予算に対する重要要望で黒字路線の利益を赤字路線に配分するルール作りや赤字路線の設備維持、修繕に対する支援拡充を求めた。和歌山県総合交通政策課は 「地方の鉄道路線は地域経済や住民の暮らしを支える重要なインフラ」 と訴える。しかし、沿線は人口維持さえ難しい。コンパクトシティ(公共施設や商業施設、住居などを短時間でアクセスできるように配置された都市)の推進は目に見える形になっておらず、車社会の進行がとどまる気配もない。 それでも自治体が鉄道を残したいと考えるのであれば、やるべきことは利用促進や国への支援要請だけなのだろうか。限られた予算のなかで実行可能な方策があるのか、あらためて考える時期に来ているようだ。
高田泰(フリージャーナリスト)