『エルデンリング ナイトレイン』は3人で3日間を生き抜くオンライン協力プレイのサバイバルアクションに。ディレクターが詳細を語る国内メディア独占インタビュー
“The Game Awards 2024”で突如発表されたフロム・ソフトウェアの新作、『ELDEN RING NIGHTREIGN』(エルデンリング ナイトレイン)。 【記事の画像(6枚)を見る】 公開されたトレーラーには、『ELDEN RING』とはまた雰囲気の異なるキャラクターが登場し、複数のプレイヤーでフィールドを駆け巡る様子や、強敵らしき相手に挑む戦闘が確認できたが、その内容は明らかとなっていない。 本稿では、『ELDEN RING NIGHTREIGN』のディレクターを務める石崎淳也氏(フロム・ソフトウェア)のインタビューをお届けする。 本作と『ELDEN RING』の関係、『NIGHTREIGN』というタイトルが意味するもの、オンライン協力プレイに特化した内容、そして3人で3日間を生き抜くというゲームシステム……。世界中のプレイヤーが気になっている本作の詳細が、ここで明らかに! 石崎淳也 氏(いしざき じゅんや): 『DARK SOULS』ではレベルデザインを、『Bloodborne』、『DARK SOULS III』、『ELDEN RING』ではバトルを中心に、開発に携わる。『ELDEN RING NIGHREIGN』ではディレクターを担当。(文中は石崎) 3人で挑戦するオンラインタイトル ――驚きの発表となりましたが、まずは『ELDEN RING NIGHTREIGN』の開発が決まった経緯をお聞かせください。: 石崎 : 『ELDEN RING』の開発終盤ごろに、宮崎(宮崎英高氏。フロム・ソフトウェア代表取締役社長、『ELDEN RING』ディレクター)から「そろそろディレクターをやってみないか?」という打診がありました。 ちょうど『ELDEN RING』のバトルを担当している中で、この戦闘をベースとして、もっと大きな流れのあるバトルのゲームを作ったらおもしろくなるのではないか、と考えていたこともあり、やることにしました。 ――本作はいわば『ELDEN RING』のスピンオフ的な作品という印象ですが、別作品としなかったのは、アイデアの根本が『ELDEN RING』だったからなのでしょうか? 石崎 :今回のゲーム内容は挑戦的なものになるので、イチからすべてを作るのではなく、ゲームデザインの刷新にリソースを集中させたほうがおもしろくなるだろうと判断しました。 また、企画を検討し始めた当時、自分がまだ『ELDEN RING』の開発の最中だったこともあり、さまざまな要素を別のゲームでも活かせる豊かさが『ELDEN RING』にはあると考えていました。 新たなゲームサイクル ――ティザーのトレーラーとサイトが公開されている状況で、詳細が見えていない部分もあるので、いろいろとお聞かせください。本作は、『ELDEN RING』の要素を含んでいるものではありますが、ゲーム性はまた異なるのでしょうか?: 石崎 : 『ELDEN RING NIGHTREIGN』は、3人で3日間を生き抜くことを目指す、オンラインでの協力プレイ型のサバイバルアクションです。 これまでとは異なるゲームサイクルで、『ELDEN RING』らしい骨太な戦闘をチームプレイで楽しめるものになります。 ――マルチプレイのセッションを作って、3人で冒険に臨むような……? 石崎 :はい。ミッションまたはステージと言いますか、3日目に現れるボスを選択し、3人で挑戦することになります。 1日ごとに昼と夜の時間があり、時間経過によって探索できる範囲が狭まっていきます。夜になると、1日の節目となるボス戦が始まります。それを攻略していき、3日目に現れる最後のボスを倒せばクリアーとなります。 ――3人での協力プレイが必須なのでしょうか? 石崎 :本作は基本的に3人でプレイすることを前提にデザインされています。一方で、自分のペースで楽しみたいという方や、そのときの気分もあるかと思うので、ひとりでのプレイもできるようにしています。 最終的にはユーザーさんが自由に楽しめることを優先して、選択肢があるようにしました。ただ、くり返しにはなりますが、3人でプレイすることを前提に、また3人でも歯応えのある難度で作られているので、その点はご容赦ください。 ――ゲームのサイクルはどのようになるのでしょうか? 石崎 :まずは、マップについて説明します。広大なフィールドがあり、そこに拠点や小さなダンジョンといった攻略要素が点在しています。 それらの配置はセッションに入るたびにランダムに変更され、そのセッションにおいて固定されます。拠点やダンジョンには、敵がいたり、宝箱が置かれたりしていて、敵を倒せばいわゆる経験値であるルーンが手に入り、宝箱には武器やアイテムがあります。 いろいろな武器が用意されていますが、その強さや戦技はランダムとなっています。昼の時間に冒険しながらプレイヤーキャラクターを強くしていったり装備を整えたりして、夜の時間にボスへ挑む……というサイクルを、3日続けるゲームになります。 ――『ELDEN RING』が持っている“らしさ”を味わいつつ、マルチプレイでの新しいアクションが楽しめそうですね。 石崎 :そうですね。操作体系などは『DARK SOULS』シリーズや 『ELDEN RING』と大きく変わらないようにしていますが、ゲームのルールが大きく変わっているので、体験としてはこれまでとはまた違ったものになるかと思います。 たとえば道中で敵と出会ったとき、これまではプレイヤーの前に“立ち塞がる壁が現れた”……という感じだったのが、本作では“プレイヤー強化のための獲物を見つけた、よし倒そう!”という感覚になるなど、違ったプレイフィールになると思いますし、それを楽しんでいただければと思っています。 ――本作の物語や世界設定は『ELDEN RING』と共通していますか? 石崎 :パラレルワールドとしています。“狭間の地でかつて破砕戦争があった”という点までは共通していて、 『ELDEN RING』のワードや設定は登場しますが、それ以外は別のお話になります。 ですので、『ELDEN RING』の物語で謎に包まれていた設定が明かされるようなことはありません。『ELDEN RING』の物語に対する、ユーザーさんそれぞれの思い出や考えを歪めるようなことはしたくなかったので、あえてまったく別のお話にしています。 『ELDEN RING』をプレイされたことがあるユーザーさんには新鮮に感じていただけると思いますし、逆に言えば『ELDEN RING』をまったくプレイしてことがなくても、本作を楽しんでいただけると思います。 ――ということは、本作のプレイヤーキャラクターは“褪せ人”ではないのでしょうか? 石崎 :はい、そうなります。本作に登場するのは“夜渡り(よるわたり)”と呼ばれる戦士たちです。 プレイヤーは、固定の名前と容姿を持った8人のキャラクターを使用できます。キャラクターそれぞれがクラスのようなものに紐づいており、特徴も異なります。 もともと、本作を手に入れたらすぐ遊べるゲームにしたいと考えていて、固定のキャラクターにしました。ですが、『ELDEN RING』で魅力的な要素のひとつである、さまざまなキャラクタービルドが楽しめる“良さ”を継承するために、キャラクターごとに特殊な能力を発揮する“スキル”や、いわゆる必殺技のような“アーツ”といった要素を持たせました。それぞれプレイ感覚がかなり違うので、いろいろ使って楽しんでいただきたいですね。 ――『ELDEN RING』にも“戦技”などはありますが、かなり大胆なシステムを取り入れていますね。 石崎 : どんな戦いかたを選ぶかは、やはりアクションゲームの醍醐味のひとつだと考えています。スキルやアーツのようなシステムは『ELDEN RING』のアクション性とも合うだろうと考え、取り入れています。 ――キャラクターたちは『ELDEN RING』らしさもありながら、ある意味、ファンタジーの王道的なデザインになっていますね。: 石崎 :新しいキャラクターたちがずらりと並ぶことになるので、取っつきやすさは意識しています。 『ELDEN RING』の雰囲気は帯びていながらも“褪せ人”とはひと味違っていて、ゲームの主人公として受け入れてもらえるようなデザインにしたいと考えていました。 キャラクターごとに一部の性能が決まっていて、初期装備にスキル、アーツは固定となっているのですが、まずはパッと見て好みで選べるようにする。これも、すぐにゲームを遊んでほしいという考えからきています。 ――キャラクターひとりひとりが主人公ということですね。その“夜渡り”たちは、それぞれが決められた名前を持っているのですか? 石崎 :はい。名前といっても、“追跡者”のようにクラス=キャラクター名というイメージです。キャラクターそれぞれにちょっとした物語が用意されており、そのキャラクターがどのような人物だったのか、この戦いの先で何を得られるのか、そういったことが語られる要素があります。 本作のメインはあくまでアクションですが、お話が好きな方にはそちらも触っていただきたいですね。 『ダークソウル』シリーズの敵も登場 ――『ELDEN RING』に出てきた強敵は登場しますか?: 石崎 : はい、日中の敵は基本的に『ELDEN RING』の敵が中心になります。『ELDEN RING』のボスも登場しますが、すべてのボスが登場するわけではありません。とくに“デミゴッド”は『ELDEN RING』の物語に強く紐づいているので……ここからは秘密にしておきます。まったく出ないということではありません。 また、『DARK SOULS』シリーズの敵も、わずかにですが登場します。設定的には、元凶たる夜の王の影響で、他世界から引き寄せられてきたといったイメージですね。 『ELDEN RING NIGHTREIGN』では夜になったらいろいろなモノが襲ってくるという、カオス感を大事にしています。その意味で、別世界の敵が出てくるのもおもしろいだろうと思い、宮崎と、『DARK SOULS Ⅱ』のディレクターである谷村(谷村 唯氏)に了解を得て、登場させることにしました。 ――3日間を生き残ってボスを倒すというゲームの流れにした理由をお聞かせください。 石崎 : 本作はオンラインで協力プレイするゲームですが、『DARK SOULS』シリーズや『ELDEN RING』にあったような、じっくりと遊べる要素を大事にしたいと考えていました。 また、先に挙げたように、すぐ遊びたい、そしてプレイヤー間にあるゲーム進行度の垣根も越えたいという狙いもありました。そこで、制限時間の中でやれることをやり尽くして敵に挑むという方向性にたどり着きました。 夜をテーマにしようというイメージは持っていたので、昼夜の時間経過で強力なボスが現れる、日増しにクライマックスへ向かっていく……そして、3日間を生き残る。これが1セッションの体験としてちょうどいい、という形になりました。 ――『ELDEN RING』はコツコツと進めるゲームですが、その要素を活かしつつ、スピード感のある攻略を実現したのが『ELDEN RING NIGHTREIGN』という。 石崎 : どのようにフィールドを進めばいいのか、どうやって敵を倒そうか……いろいろ考えながらゲームを進める楽しさは、『ELDEN RING』から引き継いでいると思います。 開発内では“ショートRPG”と呼んでいるのですが、探索やキャラクターの成長、強敵とのバトルといった、RPGの持つ根源的なおもしろさの部分をひとつのミッションに濃縮した、密度の高いゲームを目指しています。 ――かなり攻略の幅は広そうですが、フィールドでは仲間たちといっしょに動いたほうがいいのか、散らばったほうがいいのか、悩みそうです。 石崎 :そこはユーザーさんそれぞれが自由に、自分のプレイスタイルに合わせてプレイできる形を重視しています。 ひとりで黙々とアイテム探索やレベル上げに勤しむのもいいでしょうし、仲間となるべく行動してピンチを避けたり、ここぞという拠点を攻略するときだけ集合したりと、プレイヤーたちの選択に委ねられるようにしています。 それぞれが一匹狼プレイをしていても、夜に現れるボスとは必ず集合して戦うことになります。昼の時間にまったく視界に入らなかった味方が、夜になるとメチャクチャ強い状態になって現れる……なんてことも、あるかもしれません(笑)。 また、敵を倒した際に得られるルーンはパーティーのメンバーそれぞれに入りますから、協力せずに戦っても、結果的にはパーティー全体の恩恵となります。 ――見晴らしのいい場所をみんなで進むのもいいし、時間がかかるかもしれないけれどダンジョンを進むのもいいし、手分けして進むのもいい。ルートの選択も攻略のひとつなのですね。 石崎 :そうですね。倒すと強力なアイテムが入手できる中ボスがいる場所もありますが、やはり手強い。そこを避けるのか、挑むのか、好きなように攻略していただきたいですね。 ――トレーラーなどを観た印象では、フィールドは『ELDEN RING』のリムグレイブのような雰囲気ですね。 石崎 : フィールドの雰囲気は『ELDEN RING』からあえて大きく変えず、しかしまったく同じではなく、本作らしくなるようにアレンジしています。 また、皆さんが驚かれるような仕掛けがフィールドに登場するかもしれません。 ――それは楽しみです。時間設定としては昼と夜があり、夜になるとボスが現れるとのことですが、ボスに負けるとどうなるのでしょうか? 石崎 :そのセッションにおいては挑戦に失敗したことになり、プレイヤーの拠点である“隠された円卓”に戻されます。昼の時間帯では、HPがゼロになると瀕死になり、その状態のまま一定時間経過すると、死亡してリスポーンします。 しかし、夜の時間帯では3人全員が瀕死になるとゲームオーバーとなります。瀕死状態であれば他プレイヤーが救出することができるので、誰かひとりでも生き残っていれば勝利の可能性がある……そのギリギリの感覚を楽しんでいただきたいです。 ――瀕死の味方を救助できるのですか? 石崎 :はい。瀕死の味方に何回か攻撃をヒットさせることで救助できます。つまり、倒れた味方を殴って助けるのです。 弓や魔法を使えば遠距離から味方を救助できますし、範囲攻撃ならば複数の味方を同時に救助することも可能です。攻撃アクションの性能が救助につながるので、より幅のある立ち回りが楽しめると思います。 ――なるほど。味方を救助するという要素はありますが、ゲームの仕様上、敵に何度も倒されては再挑戦する、“死んで覚える”みたいなプレイはやりにくそうですね。 石崎 :夜に出現するボスはそうかもしれません。短いサイクルでボスにリトライできるものではないという点は、私たちとしても新たな試みで、チャレンジしている部分でもあります。 一方で、本作ではフィールド自体が攻略対象となっているので、何度もプレイする中でこのボスに対してはこのビルドにしよう、そのためにはこのルートで探索しようといった形でフィールド攻略を学習し、やがてフィールドを圧倒する達成感を感じていただけるかと思います。 ――レベルアップの要素ですが、レベル自体もセッションごとにリセットされますか?: 石崎 :リセットされます。毎回、初期装備、レベル1の状態で始まります。 ――初期装備は、キャラクターが得意とする武器という意味合いでしょうか? 石崎 :はい。キャラクターの傾向に合った武器を装備しています。ちなみに、初期装備というだけなので、いきなり捨てることもできます。 ――もちろん、拾える武器によって性能が違うと思うのですが、それは攻撃力が異なるというものなのでしょうか? 石崎 :武器については大きく3点あります。まず、攻撃力が違います。これは当然、高ければ高いほど敵に与えるダメージが大きくなるというものです。 もうひとつは、『ELDEN RING』にもあった戦技ですね。最後に“付帯効果”です。たとえば、“○○属性攻撃力アップ”や“カット率アップ”といったバフのようなものから、“ダッシュをするとその場に魔法弾が生じる”というような、ユニークなものもあります。 そして、この付帯効果のほとんどは、インベントリに所持しているだけでその効果を発揮します。ですので、宝箱を開けたら弓が出てきたとして、弓を使うつもりはないけれど、付帯効果が魅力的だから所持しておこうといった形で、どんどんと付帯効果を重ねがけしていくのも、本作ならではの醍醐味のひとつになります。 ――装備は基本的に、『ELDEN RING』のものなのですか? 石崎 : そうですね。ただ、性能自体は本作のゲーム性に合わせてかなり引き上げていますので、いずれも『ELDEN RING』より強力になっている傾向にあります。 とくに消費アイテムは、かなり違います。たとえば“火炎壺”はもっとド派手に爆発するので、グレネードのように集団を蹴散らすポテンシャルがあります。 コミュニケーションは“ゆるいつながり” ――プレイヤーとの意思疎通はどのようにするのでしょうか?: 石崎 : 『DARK SOULS』シリーズや『ELDEN RING』がそうであるように、我々の過去作におけるオンライン要素の特徴でもある、過度なコミュニケーションを必要とせずに自由でマイペースに遊べる“ゆるいつながり”は大事にしたいと考えており、本作もその考えのもとで開発しています。 テキストチャット、スタンプなどはありません。基本、ピンとジェスチャーでコミュニケーションを取る形になります。もちろん、外部のボイスチャットツールなどを使っていただいて楽しむのは、皆さんの自由です。 ピンについては、地図にピンを指すことで「自分はここに行く」という意志をパーティー全体に知らせることができます。落ちているアイテムにもピンを指せるので、「ここにいいアイテムがあるよ」と知らせてあげることも可能です。それくらいの、他プレイヤーに何かを強制するようなことがないコミュニケーションを目指しています。 ――ここまでのお話を聞いていると、本作は“ショートRPG”という表現が相応しく、ランダムで毎回『ELDEN RING』のような驚きと発見、そして骨太なバトルを楽しめそうですね。 石崎 : まさに、そこが本作の目指すところです。プレイごとにアイテムが見つかる場所も変わりますし、思わぬところで強力な武器に出会ったり、『ELDEN RING』で愛用していた武器と再会したりと、毎回、想像できない新鮮味に溢れたプレイが楽しめます。 プレイヤーそれぞれのドラマが生まれて、仲間がいたからこその体験も味わえるのではないかと思いますし、そうなってほしいと思っています。 ――そして3日間を生き抜いたら、また拠点に戻ってくる。装備は持ち帰れないとのことですが、持ち帰ることができるものはあるのでしょうか? 石崎 :各セッションの終わりに報酬として“マーク”という、拠点内だけで使用できる通貨と、“遺物”と呼ばれる装備品は持ち帰ることができます。 ――“遺物”とはどのような装備なのでしょうか? 石崎 :ご存知の方は、『Bloodborne』の“血晶石”をイメージいただくとわかりやすいかもしれません。“遺物”は、キャラクターにパッシブの能力を付与するものです。 キャラクターごとに“遺物”をセットできる台座が設定されており、その台座に合う“遺物”なら装備できます。台座自体は“マーク”を消費して購入すれば、変更も可能です。 “遺物”の効果はさまざまですが、シンプルにステータスを高めるもの、キャラクターのスキルやアーツ、通常アクションを強化するものなど、多岐に渡ります。“遺物”を活用したカスタマイズによって、攻略の方法は大きく変わるでしょう。 ――1セッションのプレイ時間はどれくらいになりますか? 石崎 :ボス戦にどれだけ時間をかけたか、そこに左右はされますが、昼の時間は決まっていますので、3日目のクリアーまでにだいたい40分前後を想定しています。もちろん、1日目で全滅すればプレイ時間はもっと短くなります。 ――ちなみに、対人戦の要素はありますか? 石崎 :本作にはありません。手応えのある大量のシチュエーションを、3人でなんとか乗り越えるという本作らしい体験を重視するために、オンライン要素は協力プレイのみとなっています。ほかのプレイヤーに侵入されることもありません。 ――本作のタイトルを『ELDEN RING NIGHTREIGN』と名付けた理由を教えてください。 石崎 :“REIGN(レイン)”は“支配”という意味なので、“夜の支配”を想起させるストレートなタイトルとして決めました。また、“レイン”という響きは雨の“Rain”にもつながります。本作は時間の経過に合わせてフィールドエリアが狭まるのですが、その範囲を決めるものが雨になっているんです。ゲームプレイの印象が乗るようにしています。 ――あえてイジワルな質問をしますが、人によっては、本作は『ELDEN RING』の素材を使ったマルチプレイゲームと捉えられかねませんが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか? 石崎 : 大前提として本作は、『ELDEN RING』というベースがあったうえで初めて作れるゲームにしようというところからスタートしています。 そのベースがあるからこそ、ゲームデザインの刷新、さらにアクションの拡張、個性の異なる8人のキャラクターと新たな脅威となる8体のボスといったものに注力することができました。 トレーラーなどでもその片鱗を感じていただけるかなと思いますが、実際にプレイすると『ELDEN RING』とも、また弊社のこれまでのタイトルとも大きく違った本作ならではの“味”があります。ぜひ、そうした新鮮さにご期待いただければと思います。