【厚生年金】月額20万円の高額をもらう人の「現役時代の年収」を試算!2024年度の年金額もチェック
公的年金「国民年金・厚生年金」の平均月額をチェック!
老後の生活を支える公的年金は、現役時代に加入していた保険が「国民年金」か「厚生年金」かによって受給額が大きく異なります。 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、以下のような平均受給額が示されています。 ●国民年金の平均月額 男女全体:5万6316円 ・男性:5万8798円 ・女性:5万4426円 ●厚生年金の平均月額 男女全体:14万3973円 ・男性:16万3875円 ・女性:10万4878円 国民年金は、保険料が一律であるため受給額の差は比較的小さいです。 一方、厚生年金は、現役時代の年収や加入期間によって受給額が異なるため、個人差が大きくなります。 男女間で約6万円の差があることがわかりますが、実際にはさらに大きな差が生じる場合もあります。 自分が将来受け取る年金額を知りたい場合は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用して、正確な受給予定額を確認することをおすすめします。
【シミュレーション】年金額「月額20万円」現役時代の年収がいくら?
厚生年金の受給額は、現役時代の年収や加入期間によって大きく変わります。では、月額20万円の年金を受給するためには、現役時代の年収がどれくらい必要なのでしょうか? 厚生年金の受給額は、「2003年3月以前」と「2003年4月以降」で計算式が異なります。 ・2003年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額(※)×(7.125/1000)×2003年3月以前の加入月数 ・2003年4月以降の加入期間:平均標準報酬月額×(5.481/1000)×2003年4月以降の加入月数 ※平均標準報酬月額:勤務先から支給される月給の平均額で、月給と賞与を合わせて12で割った金額を指す 本章では、2003年4月以降に加入したとして、年金月額20万円の人の現役時代の年収目安を算出していきましょう。 試算条件は下記のようになります。 ・国民年金受給額(満額):81万6000円 ・厚生年金加入期間:40年間 平均標準報酬月額の計算方法は下記のとおりです。 厚生年金「月額20万円」を受給するためには、年間で240万円を受給する必要があります。ここから国民年金の受給額81万6000円を差し引くと、厚生年金として158万4000円が必要です。 ・平均標準報酬額×5.481/1000×480ヶ月(40年間)=158万4000円(1年間の国民年金を差し引いた厚生年金の受給額) ・平均標準報酬額=約60万円 上記の式から、平均標準報酬月額を求めると約60万円になります。 つまり、40年間の平均年収が約720万円であれば、厚生年金として月額20万円を受け取れる計算になります。 40年間、月額約60万円(年収720万円)を維持し続けることは、容易ではありません。特に20代から継続してこの収入を維持するのは非常に難しいでしょう。 多くの方がキャリアの中で収入の変動を経験するため、継続的な高収入が求められる厚生年金の高額受給は、一部の限られた人にしか達成できないでしょう。