日本人が「絶滅」する前に…「30代以下の若者だけが住む都市」をつくるという「大胆提案」
中高年の「しがらみ」に縛られないために
ユースシティに暮らす人は、原則、ユースシティ内で仕事をする。テレワークで本社などとつながって仕事をするのでもよい。出資する企業が30代以下だけのサテライトオフィスを設ける形でもよい。一方、リアル店舗や子供が通う学校の教員などは、できる限り30代以下が望ましいが、難しい業種もあるので年齢制限は設けないこととする。 人口減少社会においてユースシティが求められるのは、一般的に大勢で競い合ったほうが才能は磨かれやすいからだ。少子化の影響で年々若い世代が減っていくと、それがままならなくなるからだ。どの業種や企業も優秀な若者を確保しようと囲い込みに走るため、さらに若い世代は分散することになる。これではあらゆる分野で層が薄くなってしまう。 ただでさえ他国に比べて若い世代の比率が低いのに、中高年の「理屈」を押し付けられ、「しがらみ」に縛り付けられたのでは、せっかくの"若さ"が台無しとなる。 若い世代らしいアイデアは、若者同士で自由闊達に意見交換をしたり、率直な考えをぶつけ合ったりすることの中でこそ生まれる。さまざまな分野の若い世代が仕事だけでなく、趣味やプライベートで人間関係を築くこととなれば、彼らが中高年になって以降の大きな人脈、財産ともなるだろう。 つづく「日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」」では、多くの人がまだまだ知らない「人口減少」がもたらす大きな影響を掘り下げる。
河合 雅司(作家・ジャーナリスト)