インフィールドフライからサヨナラ勝ち 冷静な走塁光った中京大中京 センバツ交流試合
12日に阪神甲子園球場で行われた2020年甲子園高校野球交流試合の智弁学園(奈良)―中京大中京(愛知)は、珍しい形の幕切れとなった。 【智弁学園VS中京大中京 熱戦の様子を写真特集で】 延長十回無死満塁で中京大中京の打者が内野へ飛球を打った。球審は故意の落球により併殺打となるのを防ぐため、「インフィールドフライ」を宣告し、打者はアウトとなった。しかし二塁手が飛球を落球。プレーは継続され、ボールが転がる間に三塁走者が生還。中京大中京がサヨナラ勝ちした。 公認野球規則によると、インフィールドフライは、無死または1死で走者が一、二塁か満塁の時、打者が放った飛球について、内野手が普通の守備行為をすれば捕球できると判断した際に、審判が宣告する。飛球が捕球されれば走者は帰塁しなければならないが、宣告後もインプレーのため、走者は進塁してもよい。 今回の場合は、二塁手が捕球していれば、三塁走者は帰塁してタッチアップする必要があったが、落球したため、そのまま本塁を陥れることができた。 短文投稿サイト「ツイッター」では、試合直後からこの部分に関する投稿が集中。ルール解説や、冷静な判断で生還した三塁走者の好走塁をたたえる書き込みが目立った。【倉沢仁志】 ◇智弁学園・錦織「大事にいき過ぎた」 智弁学園・錦織拓馬二塁手 (十回無死満塁でインフィールドフライが宣告されたものの落球。サヨナラ負けとなる三塁走者の生還を許す)焦ってグラブに当たってしまった。大事にいき過ぎた。ここまで試合を作ってくれた仲間に申し訳ない。(九回裏からの出場に)準備しておけといわれたので準備はできていた。(試合後に)上を向いて胸を張っていけ、と仲間に言われた。