カリスマ育種家・川越ROKAさんに聞く。「わびさび」の精神に合致した新時代のパンジー&ビオラ
タネをまいて、次世代に魅力を伝える
ROKAさんが育種を続けるのは「次世代へつなぐ」という使命を感じるからだといいます。 「パンジー&ビオラは一年草。どんなに美しい花とも半年でお別れです。タネをとってまかなければ、そこで途絶えてしまいます。誰かがタネをまき続けたから、来年もまた新しい花に出会えるのです。私もタネをまいて、この花の魅力を次世代に伝えていきたい。 パンジー&ビオラは、花色や花形、模様など、組み合わせによって無限の可能性を秘めています。育種する人によって『理想の美』が違うので、これからも多彩な花が誕生し、豊かな世界が広がっていくでしょう。 私は今、これまでの園芸品種に使われてこなかった原種どうしの交配を始めました。育種とは理想を求めての挑戦、タネをまき続ける長い旅路です」 ★育種とは? 植物の改良種をつくり出すこと。親となる株を選んで交配(人工授粉)をしてタネをとり、そのタネをまいて苗を育て、新しい品種を生み出す。育種家になるには努力と研鑽(けんさん)が必要ですが、まずはスタートラインに!あなたも"新しい花"を生み出してみませんか? 10月号ではROKAさんが育種の方法も伝授します。 ※育成者権者等との契約で制限されている場合などを除き、流通するパンジー&ビオラの株を育種交配に使うのは問題はありません。ただし、登録品種をふやし、それを譲渡、配布、販売したりすることは種苗法で禁止されています。 教えてくれた人/川越ROKA(かわごえ・ろか) 育種家、パンジー&ビオラ解説者 宮崎県生まれ。子どものころから植物好きで、中学生のときにはハナショウブやツバキの交配も。パンジー&ビオラの育種歴は約30年。さまざまな形質の育種に取り組みながら、SNSや講演会などで個人育種の魅力を発信している。 ●『趣味の園芸』2024年10月号 〈カリスマ育種家が伝授「あなただけの花」を咲かせてみませんか?〉より